特許発行後の小規模事業体区分の誤り有効性と訂正手続および権利行使可能性

要旨 通常料金を納付すべきところ小規模事業体(small entity)向けの減額手数料を納付したからといって、米国特許が自動的に無効になるわけではない。しかし、その誤りは、訂正義務、金銭的負担、および権利行使可能性に関するリスクを生じさせ得る。分析の出発点は、対象となる手数料、特に特許発行手数料(issue fee)および特許維持手数料の納付時点で減額を受ける資格があったかどうかである。特許発行日における出願人の区分だけでは、それ以前の納付が不適切であったとはいえない。小規模事業体区分の設定や資格喪失の届出に関する善意の誤りは、特許発行後であっても、37 C.F.R. § 1.28(c) に基づき、所定の明細の提出と不足額の納付によって訂正できる。任意の訂正を開始するための固定的な期限はないが、USPTOの通知や不備の補正要求には、特許権者が遵守すべき応答期限が設けられる。故意の虚偽表示は、必要な重要性および欺く具体的意図が立証された場合、不公正行為(inequitable conduct)の認定を支えることがあり、不足額を納付しても、その他の点で根拠のある権利行使不能の主張が消滅するわけではない。これとは別に、35 U.S.C. § 41(j) は、当該事業体が善意を立証しない限り、不足額の納付に加えて、その不足額の少なくとも3倍の制裁金を認めている。したがって、特許権者は、資格の根拠を記録し、発行手数料および維持手数料の納付前に区分を再確認し、不整合を速やかに調査するとともに、当初の資格申告および訂正手続の双方を裏付ける証拠を保存すべきである。
はじめに
特許権者が通常料金を納付すべきところ小規模事業体向けの減額手数料を納付したからといって、特許が自動的に無効になるわけではない。米国特許商標庁(USPTO)は、特許発行後に発見されたものも含め、善意の誤りを訂正するための手続を設けている。他方、故意の虚偽表示は不公正行為の認定を支えることがあり、現行法は、減額を受ける資格についての虚偽の申告に対し、別途、金銭的制裁を認めている。その影響を評価するには、出願人の実際の資格、手数料の納付時期、および誤りが生じた事情を検討する必要がある。 37 C.F.R. § 1.28(c); 35 U.S.C. § 41(j).
こうした問題は、出願係属中に企業が成長し、ライセンス契約を締結し、または買収される場合に生じることが多い。取引によって減額資格が変わっても、出願手続を担当するチームの記録に直ちに反映されるとは限らない。誤りが判明するのは、特許ポートフォリオの点検、その後の買収、または訴訟準備の段階になってからということもある。その時点で、特許権者は、納付履歴をどのように訂正するかに加え、その背景にある行為がより広い権利行使上の問題を生じさせるかを判断しなければならない。
用語の区別は重要である。特許の無効と権利行使不能は、異なる法的効果である。米国特許法第282条は、権利行使不能と、同条に列挙された無効理由とを、それぞれ独立した抗弁として認めている。小規模事業体向け手数料の納付に関する事件で、連邦巡回区控訴裁判所は、不公正行為によって特許は無効になるのではなく、権利行使不能になると明示した。したがって、納付額の不一致を、特許を自動的に無効にするものと説明すべきではない。 35 U.S.C. § 282(b); Ulead Sys., Inc. v. Lex Comput. & Mgmt. Corp., 351 F.3d 1139, 1150 n.8 (Fed. Cir. 2003).
小規模事業体区分が不適切であったかの判断
最初に検討すべき点は、資格の有無である。小規模事業体区分は、所定の要件を満たす個人、小規模事業者、および非営利団体に認められる。事業者については、適用される規模基準上、通常、その関連企業を含めた従業員数が500人以下でなければならない。関連性の分析が必要であるため、特許を直接保有する子会社の従業員数が少ないというだけで、当該事業体が資格を得ることはできない。 37 C.F.R. § 1.27(a); 13 C.F.R. § 121.802(a).
発明に関する権利関係も重要である。他の要件を満たす出願人であっても、資格を有しない事業体に権利を譲渡し、もしくはライセンスし、またはそのような移転を行う義務を負うことによって、資格を失う場合がある。したがって、予定されている譲渡について、正式な契約締結日やUSPTOへの記録日が、資格を最初に失った日になるとは限らない。効力を有する契約と、それによって生じる権利を検討する必要がある。 37 C.F.R. § 1.27(a)(1)–(3).
資格は、対象となる個々の出願または特許ごとに評価しなければならない。代理人は、関係する権利者、ライセンシー、および契約上の義務を特定したうえで、適用規則に基づき各当事者を評価すべきである。依頼者がスタートアップや小規模企業であるという一般的な認識だけでは、特定の発明に関する権利を有するすべての当事者が資格を満たすかどうかは判断できない。 See 37 C.F.R. § 1.27(f).
継続出願についても、改めて確認する必要がある。継続出願、分割出願、一部継続出願、または再発行出願では、それぞれ個別に小規模事業体区分を申告しなければならず、親出願の区分が自動的に引き継がれるわけではない。したがって、特許ファミリー全体の納付状況を点検する際には、既存出願の手続を継続する場合と、その出願の利益を主張する新たな出願を提出する場合を区別すべきである。 37 C.F.R. § 1.27(c)(4), (f).
発行手数料の納付日が重要となる理由
出願人が「特許発行時」に大規模事業体であったという説明は、納付の適否を左右する時点を不明確にするおそれがある。小規模事業体区分が適切に設定された後は、§ 1.27(g)(1) により、その後に区分の変更があっても、発行手数料または維持手数料の納付が必要となるまでは、減額手数料の納付を継続できる。出願人は、それらの時点で、減額を受ける資格を改めて判断しなければならない。 37 C.F.R. § 1.27(g)(1).
出願時に小規模事業体区分を適切に設定した企業が、その後の出願手続中に資格を失った場合を考える。この場合でも、規則上、その間の出願手続に係る手数料については、小規模事業体向け料金の納付が認められることがある。しかし、発行手数料を納付する際には、出願人は資格を再確認し、その喪失を届け出なければならない。点検に当たっては、この区分継続規則によって認められていた納付と、実際に不足が生じていた納付を区別すべきである。 See U.S. Patent & Trademark Off., Manual of Patent Examining Procedure § 509.03(b)(I) [hereinafter MPEP].
出来事の順序によって結論は変わる。出願人が6月1日の発行手数料納付時には資格を有しており、6月15日の取引によって初めて資格を失い、7月7日に特許が発行されたとする。§ 1.27(g) を適用すると、後に生じた変更によって、6月1日の納付が遡及的に不適切になることは通常ない。これに対し、資格を失わせる取引または義務が5月15日に生じていた場合、出願人は6月1日の発行手数料納付について、小規模事業体区分を適切に利用することはできない。この事実判断を左右するのは、取引の発表日だけではなく、その取引の法的効果である。 See 37 C.F.R. § 1.27(a), (g).
届出も、独立した要件である。規則は、資格喪失後に最初に納付が必要となる発行手数料または維持手数料について、その納付前または納付時に、資格喪失を届け出るよう求めている。通常料金を納付するだけでは、所定の届出を行ったことにはならない。代理人は、発行手数料の納付に関する応答書面を準備する際、または維持手数料の納付を手配する際に、納付額と記録上の区分の双方を確認すべきである。 37 C.F.R. § 1.27(g)(2).
特許発行後における善意の誤りの訂正
§ 1.28(c) は、小規模事業体区分を誤って設定した場合と、資格を失ったことを誤ってUSPTOに届け出なかった場合の双方を対象とする。区分の申告および減額手数料の納付が善意に基づいて行われた場合、同規則の書面提出、明細提示、および不足額納付の要件を満たすことにより、その誤りについて救済を受けることができる。同規則は、出願および発行済み特許のいずれにも適用されることを明示している。 37 C.F.R. § 1.28(c).
DH Technology は、発行手数料を誤って減額料金で納付した場合を直接扱っている。地方裁判所は、特許が失効し、納付不足を訂正できる期間も経過したと判断していた。連邦巡回区控訴裁判所はこの判断を退け、小規模事業体向け料金で誤って納付された発行手数料の訂正時期には、§ 1.28(c) が適用されると判示した。同裁判所は、同項には固定的な訂正期限が定められていないと説明する一方、主張されていた詐欺について審理するため事件を差し戻した。出願人の行為に必ずしも問題がなかったと判断したわけではない。 DH Tech., Inc. v. Synergystex Int’l, Inc., 154 F.3d 1333, 1342–43 (Fed. Cir. 1998).
同じ訂正の枠組みは、設定済みの小規模事業体区分に基づいて善意で行われた維持手数料の納付不足にも及び、その区分が誤って設定されていた場合や、資格喪失後も維持されていた場合を含む。Ulead において、連邦巡回区控訴裁判所は § 1.28(c) を適用し、USPTOが不足額の納付を受理したことの効果を認めた。したがって、維持手数料を単に納付しなかった場合と、小規模事業体の規則に基づいて誤って減額料金を納付した場合とでは、手続上の分析が異なる。 Ulead, 351 F.3d at 1148–50; MPEP § 2550.
小規模事業体区分を設定しないまま減額された維持手数料を納付した場合は、別の手続上の問題が生じる。通常料金の全額納付または適切な書面による区分の申告が適時に行われなければ、特許が失効することがある。したがって、区分を誤って設定した場合と、区分が一度も設定されていない場合を区別する必要がある。 MPEP § 509.03(b)(IV).
§ 1.28(c) に基づく任意の訂正を開始するための固定的な期限がないことにより、特許権者は過去の誤りを訂正することができる。それでも、関係資料や担当者にアクセスできるうちに、発見した誤りを速やかに調査し、訂正すべきである。遅延すると、事実関係の再現が難しくなり、不正確な区分のまま追加の納付が行われるおそれもある。
これとは別に、§ 1.28(a) に基づく還付手続では、小規模事業体区分の申告と還付請求の双方を、通常料金の全額を適時に納付した後3か月以内に提出する必要がある。この期間は、§ 1.28(c) に基づく納付不足の訂正には適用されない。 37 C.F.R. § 1.28(a), (b)(1), (c).
誤りが権利行使可能性を脅かす場合
訂正手続の利用には、善意であることが前提となる。§ 1.27(h) は、故意に欺くことを目的として小規模事業体区分を設定し、または減額手数料を納付しようとする行為を、USPTOに対する詐欺または詐欺の未遂として扱う。Nilssen において、連邦巡回区控訴裁判所は、大規模事業体とのライセンス関係成立後に不適切な小規模事業体向け手数料を納付したことに関する、権利行使不能の判断を維持した。この判断は、欺く意図および特許権者の説明の信用性に関する認定に基づいていた。また、特許発行後であっても、維持手数料に関する手続中の不正行為が、権利行使可能性の問題を生じさせ得ることも確認した。 37 C.F.R. § 1.27(h); Nilssen v. Osram Sylvania, Inc., 504 F.3d 1223, 1231–33 (Fed. Cir. 2007).
Nilssen は、現在の不公正行為の判断枠組みを示した Therasense の大法廷判決より前の事件である。侵害を主張された者は、重要性および欺く具体的意図を、明白かつ説得力のある証拠によって立証しなければならない。出願人が事情を知るべきであったという主張を含め、過失だけでは、必要な意図は立証されない。状況証拠から意図を推認する場合、欺く意図が、導き得る推認のうち唯一最も合理的なものでなければならない。 Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co., 649 F.3d 1276, 1290–91 (Fed. Cir. 2011) (en banc).
重要性についても、独立した分析が必要である。Therasense は、通常、当該不正行為がなければ特許が認められなかったという意味での重要性(but-for materiality)を要求する一方、明白に虚偽の宣誓供述書の提出など、積極的かつ著しく悪質な不正行為については例外を認めている。手数料に納付不足があったという事実だけでは、この分析は完結しない。 Id. at 1291–93.
連邦巡回区控訴裁判所は、Outside the Box において、この枠組みを小規模事業体区分に適用した。地方裁判所は、小規模事業体としての資格を有しない販売業者との契約に基づき、不公正行為を認定していた。連邦巡回区控訴裁判所は、記録上、欺く具体的意図が立証されていなかったため、これを覆した。同裁判所は、小規模事業体区分についての虚偽の申告が当然に重要性を有するかどうかについて、判断を明示的に留保した。また、善意の誤りは不足額の納付によって是正でき、当該記録は権利行使不能の判断を正当化しないと認めた。 Outside the Box Innovations, LLC v. Travel Caddy, Inc., 695 F.3d 1285, 1294–95 (Fed. Cir. 2012).
この判示は、紛争の双方の当事者に慎重な対応を求める。特許権者は、手数料区分に関するすべての表示を、一律に重要性のないものとして扱うことはできない。他方、侵害を主張された者も、通常料金を納付すべきであったことを証明するだけでは、不公正行為を立証できない。申告時の事情と、責任を負う個人に関する証拠が、引き続き分析の中心となる。 See id.
訂正にも限界がある。USPTOによる不足額の納付の受理は、納付上の誤りを訂正するが、その他の点で根拠のある故意の欺罔に関する主張まで解消するものではない。Ulead は、誤りが善意の訂正の対象となるという説明が虚偽であることを知りながら、そのような説明をした場合、特許権者が不公正行為に基づく争いに直面し得ると説明している。したがって、特許権者は、納付だけですべての権利行使可能性の問題が解決すると考えるのではなく、訂正を裏付ける事実を調査すべきである。 Ulead, 351 F.3d at 1149–50.
金銭的制裁と現在のUSPTO実務
第41条(j)は、これとは別の法律上の効果を定めている。手数料減額を受ける資格について虚偽の申告をしたと認定された事業体には、その申告が善意で行われたことを立証しない限り、未納額の少なくとも3倍の制裁金が科される。賦課された制裁金は、所定の不足額の納付に加えて支払わなければならない。この規定は、USPTOが虚偽の申告を発見した時点が特許発行前か発行後かを問わず適用される。この行政上の判断は、不公正行為を立証するための司法上の立証責任とは異なる。法律上の善意の抗弁を立証できないこと自体は、権利行使不能のすべての要件が証明されたことを意味しない。 35 U.S.C. § 41(j); Therasense, 649 F.3d at 1290–93.
USPTOの2025年の実施通知によれば、これらの制裁規定は、出願日にかかわらず、2022年12月29日以降に不適切な減額料金で納付された手数料に適用される。この制限は法律上の制裁に関するものであり、それ以前の誤りを訂正する必要性をなくすものではない。同通知は、制裁金の賦課後に不足額を納付しても、制裁金の支払義務は消滅しないことも説明している。 U.S. Patent & Trademark Off., Statutory Penalties for False Assertions or Certifications of Small and Micro Entity Status, 1536 Off. Gaz. Pat. & Trademark Off. 204, 206 (July 8, 2025).
§ 1.28(c) に基づく任意の訂正に固定的な期限がないからといって、USPTOからの納付不足通知および理由開示命令(order to show cause)に適時に応答する義務がなくなるわけではない。USPTOが公表した手続では、当初の応答期間は2か月とされ、§ 1.136(a) に基づく延長が認められる。 U.S. Patent & Trademark Off., Statutory Penalties for False Assertions or Certifications of Small and Micro Entity Status, 1536 Off. Gaz. Pat. & Trademark Off. 204, 205 (July 8, 2025).
現在の小規模事業体向け応答様式には、必要な不足額を明細化して納付しなければ、出願の放棄または特許の失効に至ることが明記されている。USPTOの手続に従わない場合の効果として示されているこの結果は、裁判における無効または権利行使不能とは異なる。 U.S. Patent & Trademark Off., Form PTO/SB/142, Response to Notice of Payment Deficiency & Show Cause Order—Options II & III 1–2 (rev. July 2026).
実務家は、現在のUSPTOの確認手続も考慮すべきである。2025年10月24日付覚書は、事業体区分の申告について通常は疑義を呈しないとしていたMPEPの記載に優先する取扱いを示し、資格の有無および出願人の行為の合理性について、裁量による確認を行うことを明示的に認めた。 Memorandum from Brian E. Hanlon, Assistant Comm’r for Pats., to Patent Examining Corps, Advance Notice of Change to the MPEP with Respect to False Assertions or Certifications of Entity Status 1–2 (Oct. 24, 2025).
USPTOは、2026年3月17日付の注意喚起で、制裁金の賦課を開始したと報告するとともに、37 C.F.R. § 11.18(b) が求める合理的な調査の証拠を保存することを強調した。現在の助言は、この実務を踏まえる必要がある。不足額の納付に関するUSPTOの処理についての過去の判例上の説明から、現在のUSPTOが、善意であったというあらゆる説明を調査せずに受け入れるとはいえない。 U.S. Patent & Trademark Off., Reminder: Conduct a Reasonable Inquiry Before Claiming Small or Micro Entity Status (Mar. 17, 2026).
記録の訂正と証拠の保存
有用な調査は、時系列の整理から始まる。代理人は、当初の区分申告、資格を失わせた可能性のある出来事、影響を受けた納付、および誤りの発見時期を特定すべきである。契約書、会社記録、および納付を承認した者との連絡記録によって、問題の原因が、資格判断の誤り、その後の取引の届出漏れ、またはより詳細な検討を要する行為のいずれであったかを明らかにできる。調査では、同じ事実によって影響を受ける関連出願および関連特許も特定すべきである。
手数料の点検では、不足額を算出する前に、区分継続規則を適用すべきである。区分が適切に設定された後に資格が変わった場合、その間の出願手続に係る納付の一部は、引き続き認められていた可能性がある。実際に誤って行われた納付については、訂正時に、各手数料、当初の納付額と納付日、適用される現在の通常料金、およびその結果としての不足額を明示しなければならない。出願または特許ごとに、個別の提出が必要である。 MPEP § 509.03(b)(I), (IV).
通常、不足額は、不足額全額を納付する時点で有効な通常料金から、当初納付した額を差し引いて算出する。したがって、過去の小規模事業体向け料金と大規模事業体向け料金の差額とは限らない。同規則は、誤った納付から訂正までの間に対象手数料が引き下げられた場合について特則を設けており、その場合の不足額を、当初誤って納付した額と同額としている。代理人は、過去の料率による計算に置き換えるのではなく、この規定を適用すべきである。 MPEP § 509.03(b)(IV); 37 C.F.R. § 1.28(c)(2)(i).
不足額に関する提出書面が要件を満たさない場合、別の応答期限が生じることもある。§ 1.28(c)(3) により、USPTOは、不足額に関する書面が返却されることを避けるため、延長できない1か月の期間内に要件を満たすよう求めることができる。この期限は、不備のある提出書面の補正に関するものであり、任意の訂正を開始するための一般的な期限ではない。 37 C.F.R. § 1.28(c)(3).
要件を満たす不足額の納付は、小規模事業体区分の資格喪失の届出としても機能する。特許権者は、USPTOに記録された区分を確認し、維持手数料の納付代行業者を利用している場合には、今後の納付について連携すべきである。USPTOが善意であったことの説明や証拠を求める場合があることから、当初の調査およびその後の訂正を裏付ける記録を保存すべきである。 37 C.F.R. § 1.28(d); U.S. Patent & Trademark Off., Reminder: Conduct a Reasonable Inquiry Before Claiming Small or Micro Entity Status (Mar. 17, 2026).
これらの手続は、取引および訴訟に関するデュー・ディリジェンスにおいても同様に有用である。特許の買主は、取引完了前に、納付履歴および資格を裏付ける記録を求めることができる。特許権の行使を準備する代理人は、説明のつかない区分変更について、争点となる前に調査することができる。いずれの調査も、誤りがあったと前提する必要はないが、適用料金を決定した日付、権利関係、および判断を評価するために十分な情報を必要とする。
正確な手数料管理による特許価値の保護
法は、特許発行後に発見されたものも含め、小規模事業体区分に関する善意の誤りに対して、実務上利用できる救済手段を設けている。その救済を利用するには、資格と、実際に影響を受けた納付について、正確に把握する必要がある。不公正行為による権利行使不能の可能性があるため、故意の虚偽表示には重大な影響が伴う。また、現行の法律上の制裁は、裏付けのない申告に対処するための独立した手段をUSPTOに与えている。特許権者は、出願時の資格を記録し、発行手数料および維持手数料の納付に際して再評価し、特許に関する権利に影響する取引の情報が手数料管理の担当者に確実に伝わるようにすることで、これらのリスクを低減できる。





