top of page

Divergent Patent Lawブログ

米国特許出願・権利化、PTAB実務、米国連邦巡回区控訴裁判所の動向、および国境を越えた特許戦略に関する解説。

特許再審査における電子送達USPTOがIPRの制度を採用すべき理由

執筆者の写真: Brandon Theiss
Brandon Theiss
10月13日
読了時間: 14分

要旨:米国特許商標庁(USPTO)は、当事者系レビュー(inter partes review、以下「IPR」)で既に確立されている制度にならい、当事者の合意による電子送達を明文で認めるよう、再審査に関する規則を改正すべきである。再審査の書類は電子的に提出できるものの、37 C.F.R. § 1.248には電子送達を明示的に認める規定がなく、中央再審査部門(CRU)も、同条の送付に関する規定は第一種郵便を認める一方、電子メールとファクシミリを認めないと公に説明している。この仕組みは重複する事務処理の費用を生み、郵便による送達は受領者が書類を受け取る前に効力を生じるため、実質的に利用できる応答時間を減らすおそれがある。USPTOが新たに設けた再審査命令前の応答期間は延長できず、資料への迅速なアクセスは一層重要になっている。適切に設計された改正は、最初の再審査請求とその後の提出書類の双方を対象とし、書面による同意と送達先アドレスの指定を求め、送達対象の資料一式へのアクセスを確保するとともに、送達の完了、送信の失敗および是正のための再送達について明確な規定を設けるべきである。同意がない場合には、従来の送達方法を引き続き利用できるようにすべきである。関連規則の整合的な改正とUSPTOの指針の更新により、再審査における既存の参加制限と通知に関する保護を維持しながら、効率と手続上の予測可能性を高めることができる。

はじめに

弁護士は、米国特許商標庁に査定系再審査(ex parte reexamination)の請求を電子的に提出できても、なお物理的な交付を前提とした送達規則に従わなければならない。USPTOは、再審査請求およびその後の適切な書類の電子提出を認めている。しかし、特許権者と第三者請求人との間の送達を定める規則は、本人への交付、営業所または住所での交付、第一種郵便による送達、そして例外的な場合の公告を列挙している。当事者の合意による電子送達を明文で認める規定はない。U.S. Pat. & Trademark Off., Manual of Patent Examining Procedure § 2224 (9th ed., rev. 01.2024, Nov. 2024) [hereinafter MPEP]; 37 C.F.R. § 1.248(a)(1)–(5) (2026).

USPTOは、この隔たりを解消すべきである。IPRの規則は既に基本的なモデルを示している。当事者は電子送達に合意でき、合意がない場合には所定の代替的な交付方法を利用する。37 C.F.R. §§ 42.6(e)(1), 42.105(b) (2026). この明示的な許容を再審査にも拡張すれば、不要な事務処理を減らし、送達された資料へのアクセスを改善し、電子的な送信を法的に有効な送達として扱うための明確な根拠を実務家に提供できる。同意を前提とする改正であれば、従来の交付方法を必要とする特許権者や請求人のために、その方法も維持できる。

現行の送達制度

送達義務は再審査請求から始まる。第三者請求人は、§ 1.33(c)に基づく連絡先住所において、再審査請求の全体を特許権者に送達しなければならず、請求には所定の送達証明書を添付する必要がある。37 C.F.R. § 1.510(b)(5) (2026). USPTOへの電子提出だけでは、この別個の義務を履行したことにはならない。この区別が重要なのは、行政機関のシステムへの請求書類のアップロードと、特許権者に対する法的に有効な通知とでは、果たす役割が異なるからである。現代的な規則は、検索可能な公開記録が送達の代わりになると想定せず、両方の役割を明示的に扱うべきである。

この義務は請求後も継続する。第三者の請求によって開始された手続では、特許権者または請求人が提出する書類は、§ 1.248に従って相手方に送達され、その送達が明らかにされなければならない。USPTOは、これを満たさない書類の考慮を拒否できる。37 C.F.R. § 1.550(f) (2026). 請求人の参加が限定されていても、特許権者の継続的な送達義務がなくなるわけではない。通常、請求人の積極的な参加は、規則に定める例外を除き、特許権者の陳述書に対する応答をもって終了する。Id. § 1.550(g). したがって、審査段階では査定系の手続でありながら、請求人への書類の継続的な交付が義務づけられることになる。

§ 1.248は送達の具体的方法を定めている。当事者が弁護士または代理人によって代理されている場合、送達はその弁護士または代理人に対して行わなければならない。同条は、本人への交付、所定の条件を満たす営業所または住所での交付、および第一種郵便による送達を認めている。公告には、他の方法による送達が実行困難であることを、長官が納得する形で示す必要がある。郵便による発送日が送達日となる。Id. § 1.248(a)(1)–(5). 送付に関する規定は第一種郵便を明示しているが、電子メールやファクシミリは列挙していない。これらの送付方法に関する制限とは別に、同条は物理的な交付による送達方法を定めている。

CRUは、2026年2月18日に開催されたUSPTOのウェビナーの質疑応答で、電子メールが送達として認められるかどうかを直接取り上げた。CRUの管理品質保証専門官であるStephen J. Steinは、§ 1.248が米国の第一種郵便による送付を認めるとともに、これとは別に本人への交付による送達も認めていると説明した。そのうえで、「ただし、送付による送達については、第一種郵便に限られます」と述べた(原文:“However, for service by transmission, it is limited to 1st class mail.”)。Steinはさらに、電子メール、ファクシミリおよびその他の送付方法は§ 1.248の下では認められないと説明した。U.S. Pat. & Trademark Off., USPTO Hour: Central Reexamination Unit, at 1:01:43–1:02:46 (Feb. 18, 2026) (remarks of Stephen J. Stein; quoted statement at 1:02:28), https://www.youtube.com/watch?v=A5jQaiZJpA8&t=3728.

このやり取りは、CRUが示す運用を具体的に明らかにしている。Steinは、その回答で、当事者の合意による電子送達についての例外を示していない。この説明は、許容される方法と同意の効果の双方を実務家が確認できるよう、電子送達という選択肢を規則自体に直接盛り込むべきだという主張を強める。ウェビナーでの説明そのものが規則を改正するわけではないが、電子メールのやり取りだけで送達が十分に行われたと扱う前に、明示的な規則上の根拠を求める実務上の理由になる。IPRにならった改正はその根拠を提供し、規則への適合をめぐる紛争を避けるためだけに、同じ資料一式を物理的にも送達する必要性を減らすであろう。Compare 37 C.F.R. § 1.248(a) (2026), with id. §§ 42.6(e)(1), 42.105(b).

送達の不備がもたらす結果を考えると、確実性には大きな価値がある。最初の再審査請求については、送達要件の遵守が請求の提出日に影響する。請求は、送達の証明を含む§ 1.510の要件を満たした時点で提出日を認められる。37 C.F.R. § 1.510(b)(5), (d) (2026). Steinは、ウェビナーのそれ以前の部分で、この影響を強調していた。USPTO Hour: Central Reexamination Unit, at 27:58–29:11. その後の提出書類について、MPEPは、実際には送達されたものの証明書が欠けている場合と、書類自体が送達されていない場合とを区別している。後者では通常、書類は手続に受け入れられず、補正の機会が与えられるが、最終拒絶後の運用はより厳格である。不備が是正されなければ、提出書類が考慮されないことがあり、特許権者が他の方法でも適切に応答していない場合には、審査手続の終了につながることもある。MPEP §§ 2266.02–2266.03; see also 37 C.F.R. § 1.550(d), (f) (2026). 送達規則を改正すれば、当事者はこうした問題が生じる前に義務を履行するための、信頼できる追加的な方法を得ることになる。

送達の時期が重要である理由

USPTOが新たに設けた再審査命令前の手続により、この問題は一層切迫したものとなっている。2026年4月5日以降に提出された請求については、特許性に関する実質的な新たな疑問の有無が判断される前に、所定の要件を満たす特許権者の書面を提出できる。その提出期限は、再審査請求の送達後30日以内である。請求人が応答書面を提出できるのは、当該告示が定める例外的な手続に従う場合に限られ、§ 1.182に基づく認容要件を満たす申立てと所定の手数料を伴う必要がある。その期限は、特許権者の書面の送達後15暦日以内である。いずれの期間も延長できず、これらの書面には引き続き§ 1.248の送達要件が適用される。Pre-Order Procedure Regarding Substantial New Question Determination in Ex Parte Reexamination Proceedings, 1545 Off. Gaz. Pat. Office 217, 218 (Apr. 28, 2026) [hereinafter Pre-Order Procedure].

第一種郵便を利用する場合、送達日は受領者が資料を受け取った日ではなく、発送日である。37 C.F.R. § 1.248(a)(4) (2026). 例えば、再審査請求が発送から5日後に特許権者の連絡先住所へ到着したとする。その5日間は、再審査命令前の30日間の応答期間の一部として既に経過している。当事者が合意し、送達が適切に完了する場合、電子送達であれば、期間が開始する時点により近いタイミングで、代理人が同じ資料にアクセスできる。この短く固定された応答期間の開始と、実際に利用できる通知の到達とを近づけることで、受領者は応答の機会をより有効に活用できる。

再審査がIPRの実務から取り入れるべき点

IPRの実務が有用な比較対象となるのは、その電子送達に関する規則が限定的なものだからである。§ 42.6(e)(1)は、「当事者の合意により、電子的に送達することができる」と定める(原文:“Service may be made electronically upon agreement of the parties.”)。37 C.F.R. § 42.6(e)(1) (2026). 合意がない場合、同規則はPriority Mail Express、または少なくともそれと同等の速さと信頼性を備えた方法を求めている。Id. 関連する規定は、提出と同時に行う送達、代理人に対する送達、および送達の日付、方法、受領者を記載する証明書について定めている。Id. § 42.6(e)(2)–(4). このように、電子送達は、何が、いつ、誰に交付されたかを確認するための既存の制度の中で機能している。

IPRの規則は、手続を開始する申立書も別途取り扱っている。§ 42.105は、申立書とその証拠をどこに送達すべきかを定め、合意による電子送達を明文で認めている。Id. § 42.105(a)–(b). この区別は再審査にも取り入れるべきである。その後の提出書類を電子メールで送達することを認めても、それだけで、特許権者に手続の開始を初めて知らせる書類を請求人がどのように送達できるかが明らかになるわけではない。改正は最初の再審査請求とその後の書類の双方を対象とし、従来適用される交付方法に電子送達を代える前に、実際の合意を必要とすべきである。

より広い利点も明確である。双方が電子ファイルを使って作業している場合、送達用の資料一式を追加で印刷し、取りまとめ、梱包し、郵送することは、その提出内容を検討する能力を必ずしも高めないまま、費用を発生させる。電子的な交付は、検索可能なテキストを維持し、分析を必要とする全員が同一の完全な資料一式を利用できるようにする。削減できる費用は、記録の規模や当事者の実務によって異なる。当面の削減額が小さい場合でも、希望する受領者は、自分が利用する資料に適した信頼できる方法を選べるべきである。

明確な規則は、事務運営も改善する。電子送達の方法が定義されれば、送達証明書に指定アドレス、送信したファイル、および送信日を記載でき、USPTOは送達に関する紛争を解決するための、より具体的な根拠を得られる。USPTOは、当事者が同意していたか、所定の交付要件に従っていたかに着目できる。この目的は、再審査を「特に迅速に」進めるという連邦議会の指示にも沿うものである。35 U.S.C. § 305. 送達された資料への迅速なアクセスは、この目的に向けた実務上の一歩となる。

信頼できる電子送達規則の設計

改正は、書面による同意を出発点とすべきである。各受領者は、送達を受けるための電子メールアドレスを指定し、代理人が付いている当事者については、代理人がこれを行うべきである。合意には、対象となる手続と、最初の再審査請求、その後の書類、またはその双方を対象とするかを明記すべきである。同意とその後の変更は、手続記録に残すべきである。ウェブサイトや別件に掲載された業務用の電子メールアドレスを、新たに開始される再審査における送達への同意とみなすべきではない。同意が得られていない場合には、現行の送達要件を適用すべきである。

規則制定に向けた出発点として、中心となる規定は次のように定めることができる。

送達を行う当事者と送達を受ける当事者の書面による合意に基づき、電子的に送達することができる。合意には、送達先として指定された電子アドレス、および対象となる書類または手続を明記しなければならない。そのような合意がない場合、送達は本章に定める他の方法によって行わなければならない。

この条文案には、最初の再審査請求、証明書、送達の完了、および送信の失敗を扱う整合的な規定を加える必要がある。その中心となる選択は限定的である。関係当事者が利用に合意した場合に、電子送達を明示的に認められた選択肢とするということである。

規則は、送達対象の資料一式を完全に交付することを求めるべきである。提出書類を特定するだけで、その内容へのアクセスを提供しない電子メールでは不十分である。添付ファイルについては、送達を行う当事者がファイルを特定し、送達対象の資料と一致することを確認すべきである。通常の添付ファイルで送れないほど大きな記録については、合意された安全なダウンロード方法を認め、目録、機能するアクセス手順、および受領者がファイルを保存するのに十分な所定の利用可能期間を設けるべきである。受領者は、有料アカウントを購入したり、合理的に資料を取得できる時点より前に消滅するおそれのあるリンクに依存したりせず、変更されない資料の写しをダウンロードできるべきである。

送達の完了と失敗に関する規則にも、同様の注意を払う必要がある。USPTOは、電子送達がいつ完了するか、どの時間帯を基準とするか、送達日をどのように報告するかを定めるべきである。指定アドレスへの送信の成功を通常の完了基準としつつ、送信者が不達またはファイルへのアクセス不能を知った場合には、是正を必要とすることが考えられる。失敗が判明した場合には、速やかな再送信または認められた代替方法の利用を求め、適用される応答期間は有効な送達から起算すべきである。規則はまた、受領者がどのように信頼できる不達の主張を行うか、USPTOがどのような証拠を検討するかも説明すべきである。

これらの保護措置により、受領確認を送達の前提条件としてはならない。そうすると、受領者は単に返信をしないことで期限の起算を左右できてしまう。通常は、送信記録、保存された送達資料の写し、および証明書によって関連事実を確認できるようにし、具体的な失敗はその証拠に基づいて処理すべきである。同意の撤回は、所定の通知後、将来に向かって効力を生じるものとし、送達後に指示を変更して過去の送信を無効にできないようにすべきである。これらは再審査のために提案する保護措置であり、IPRの規則で既に義務づけられている要件を説明するものではない。

最も有力な反論は、請求が行われることを知らない特許権者に関するものである。この懸念は、同意がない場合に従来の送達方法を維持し、最初の請求について連絡先住所に関する保護を残すことを支持する。しかし、代理人を積極的に指定し、請求を電子的に受け取ることに合意した特許権者に対しても、電子的な選択肢を認めない理由にはならない。USPTOの電子的な事件記録を継続的に確認する一般的な義務は、別の問題を提起する。本稿で提案する改革は、合意された交付経路と、送達対象の資料一式の実際の送信を前提としている。

電子メールの不達やサイバーセキュリティ上の懸念も、一律の排除より、保護措置の整備を求める理由となる。当事者は、電子送達を選択する前に、添付ファイルの容量制限、承認された安全な転送システム、および予備の連絡先を指定できるべきである。何を送ったかを示すのに十分な記録を保存し、判明した不達は速やかに是正すべきである。同意を必要とすることで、提案された方法を確実に利用できない受領者には、それを断る合理的な根拠が与えられる。また、有用な手続改善を採用する前に、USPTOが汎用的な電子送達プラットフォームを構築することも必要としない。

この改正が、第三者請求人の限定された役割を変えることもない。書類の交付と、その書類に応答する権限とは、別個の手続上の問題である。電子送達を明文で認めても、§ 1.550(g)の制限と、再審査命令前の請求人の応答が例外的なものであることは維持される。37 C.F.R. § 1.550(g) (2026); Pre-Order Procedure, 1545 Off. Gaz. Pat. Office at 218. USPTOは、査定系審査の構造を維持しつつ、認められた書類が受領者に届く方法を近代化できる。

改革の実施

USPTOには、規則制定による実施の道がある。連邦議会は、法律に適合し、行政手続法に従って、USPTOの手続を規律する規則を制定する権限をUSPTOに与えている。35 U.S.C. § 2(b)(2)(A)–(B). 再審査に関する法律は、長官が第三者の請求を特許権者に送付すること、ならびに特許権者の陳述書と請求人の応答を送達することを要求しているが、これらのやり取りについて紙による交付を定めてはいない。Id. §§ 302, 304. 合意による電子送達を認めるよう慎重に定められた改正は、この制度の枠内で手続上の方法を扱うことになる。

USPTOは、同意、大量の記録、および交付の失敗について実務的な意見を得るため、規則案を公示して意見を募集する手続を進めるべきである。See 5 U.S.C. § 553. §§ 1.510(b)(5)および1.550(f)を対象とする改正と、再審査命令前の提出書類に対する対応を組み合わせれば、再審査に限定して改革を実施できる。あるいは、§ 1.248を改正することで、より広く適用される電子送達の規定を設けることもできるが、その場合には、同条が適用される他の手続を検討する必要がある。いずれの場合も、実務家が一貫した指示を受けられるよう、MPEP、送達証明書に関する指針、および関連書式を同時に更新すべきである。

合意による電子送達は、USPTOの規則に既に実行可能なモデルがある、実務的な改革である。現行の送付要件に関するCRUの公の説明は、USPTOが規則の本文でこの問題を扱うための具体的な理由となる。その価値が最も明らかになるのは、実質的な応答を可能にするために、完全な電子記録を速やかに代理人へ届ける必要がある場合である。USPTOは、この選択肢を明示し、同意がない場合には従来の方法を維持し、電子的な交付の信頼性を確保する保護措置を定めるべきである。特許権者と請求人が、合意された電子的な送信によって送達義務を履行できると確信し、再審査の実体的な争点に時間を充てられるようにすべきである。

 
 
著者について

Brandon R. Theiss

  • LinkedIn
画像サイズ変更プロジェクト - 2026年7月22日

Brandon R. Theissは、AddyHartのDivergent IP部門に所属する、テクノロジー分野を中心に扱う米国登録特許弁護士です。ソフトウェア、クラウドコンピューティング、データ分析、医療機器、自動化システム、自動車システムなどの技術について、米国特許出願・権利化、特許付与後手続、特許適格性、特許戦略に関する助言を提供しています。Villanova University Charles Widger School of Lawの非常勤教授を務めるほか、FDA and Intellectual Property Strategies for Medical Device Technologiesの共著者でもあります。

購読する

bottom of page