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Divergent Patent Lawブログ

米国特許出願・権利化、PTAB実務、米国連邦巡回区控訴裁判所の動向、および国境を越えた特許戦略に関する解説。

特許出願における参照による組込み:請求項のサポートと優先日の確保に向けた起草

執筆者の写真: Brandon Theiss
Brandon Theiss
12 時間前
読了時間: 22分

特許出願の引用による援用を示す作成図。

要旨:参照による組込み(incorporation by reference)は、後に請求項のサポート、優先日及びクレーム解釈にとって重要となる技術的開示を保持する手段となるが、その有効性は、正確な起草と、それぞれ異なる法的要件の遵守に左右される。組込みの記載では、参照先と組み込む内容を十分に具体的に特定する必要があり、教科書全体への一般的な言及だけでは、特定の教示を十分に特定できないことがある。米国実務では、必須事項の組込みに利用できる参照先も制限されている。また、優先権又は先の出願日の利益の主張には、別途要件を満たすことに加え、関連する出願を通じてサポートとなる開示を保持することが求められる。組み込まれた特許や仮出願に関する判例は、先の文書が組み込まれていても、後続する明細書との間の意味のある変更がクレーム解釈に影響し得ることを示している。補正手続により一定の不備や意図しない脱落に対処できる場合はあるが、その救済は当初開示と所定の期限に制約される。PCTの手続には、当初の優先権主張、組込みの陳述及びその後の確認に関する独自の要件がある。一方、欧州実務では必須の開示を明細書に明記することが求められ、後の追加も制限される。重要な技術的開示を直接記載し、各段階の明細書を比較し、請求項の変更に応じて組込み条項を見直すことにより、不確実性を減らし、審査手続における柔軟性を維持できる。

はじめに

参照による組込みは、特許出願から何年も経過した後に重要となる開示を保持する手段となる。別の実装形態の説明、明細書の再構成時に省略された図面、又は技術的な関係についての従前の説明が、審査中に追求する請求項のサポートとなる場合がある。組込みの有効性は、用いられた文言、特定された文書、及びその内容に適用される法的要件に左右される。意図する請求項に必要な開示を明示的に記載しておけば、サポートを特定しやすくなり、後の補正手続への依存も軽減できる。

先の出願に記載されたコントローラを対象とする継続出願を考えてみる。この継続出願は、コントローラのハードウェアに関する説明を再掲する一方、先の出願にあった校正ルーチンの説明を省略している。そして、先の出願のうちハードウェアの説明だけを参照により組み込んでいる。何年か後に校正ルーチンを対象とする請求項を追求する際には、省略された説明がそもそも組み込まれていたか、また、出願日の利益を主張する連鎖の各出願で必要なサポートが保持されていたかを検討する必要が生じ得る。関連出願に関する段落と正確な出願受領通知だけでは、これらの開示上の問題は解決しない。 See Zenon Envtl., Inc. v. U.S. Filter Corp., 506 F.3d 1370, 1378–82 (Fed. Cir. 2007).

組込みによって開示に加わる内容

有効な組込みにより、特定された内容は、組込みを行う文書の開示の一部となる。その範囲は、その文書が何を組み込んだかによって決まる。開示全体を対象とする条項と、製造工程又は特定の構成要素に限定された条項とでは、効果が異なる場合がある。また、組込みの範囲を確定する問題は、組み合わせた開示が請求項に適用される要件を満たすかという別個の問題に先立つ。 See Paice LLC v. Ford Motor Co., 881 F.3d 894, 907–10 (Fed. Cir. 2018).

この区別が重要なのは、記述要件(written description)が、請求された発明を対象とするからである。出願と組み込まれた文献のどこかに二つの特徴が存在するだけでは、それらの間の請求された関係について、発明者が発明を保有していたことを開示が伝えているかという検討は不要にならない。例えば、組込みを行う出願がセンサアレイを説明する一方、組み込まれた特許が別の機器用の校正技術を説明している場合がある。そのアレイと技術を組み合わせた請求項がサポートされるかは、開示全体に照らして検討する必要がある。検討の対象は、あくまで、組み合わせた開示が両者の間の請求された関係をサポートしているかである。 See 35 U.S.C. § 112(a); Paice, 881 F.3d at 910; U.S. Pat. & Trademark Off., Manual of Patent Examining Procedure § 2163 (9th ed., rev. 01.2024, Nov. 2024) [hereinafter MPEP].

通常の引用は別の目的を持つ。刊行物を背景技術として挙げたり、情報開示陳述書(IDS)で提出したりするだけでは、その技術的内容は明細書の一部にならない。同様に、先の出願日の利益の主張は、出願間の関係を主張するものではあるが、通常、先の出願の開示全体を取り込むものではない。これらの区別は、補正が出願の明示的な記載の外にある内容に依存する場合に重要となる。 See 37 C.F.R. § 1.57(c), (h)(1); Droplets, Inc. v. E*TRADE Bank, 887 F.3d 1309, 1318–20 (Fed. Cir. 2018).

有効な組込みの記載の起草

規則1.57は、第(a)項及び第(b)項に定める別個の手続を除き、明細書中に組込みの文言を記載することを求めている。その記載には「incorporate」と「reference」という語の語根を用い、参照する特許、出願又は刊行物を明確に特定しなければならない。この要件があるため、ある文書に関連技術が記載されていると述べるだけでは不十分である。 See 37 C.F.R. § 1.57(c).

例えば、特定した米国公開特許出願の開示全体を参照により組み込むと規定することができる。より限定的な条項では、特定の段落や図面を指定することもできる。どちらを選ぶかは、意図する開示によるが、いずれの場合も、参照先と組み込む内容を十分な精度で特定する必要がある。開示全体を対象とする文言は広範な開示を保持する手段となるものの、読者が組み込まれる内容を特定できるかという検討を不要にするものではない。

Paice事件では、連邦巡回区控訴裁判所は、組込み条項に続く文に発明間の相違についての説明があっても、広い組込み文言により、特許全体が先の出願に組み込まれていたと判断した。同裁判所は、組込みを選択された教示に明示的に限定する文言とは区別した。この分析は、特定の技術的特徴についての説明と、組込みの範囲を定める記載とを、それぞれ検討する必要がある理由を示している。 Paice, 881 F.3d at 907–10.

別の出願と同時に出願する場合や、参照先の出願番号が判明する前に出願する場合には、文書の特定についても確認が必要となる。発明の名称、発明者情報、出願日及び事件管理番号は、意図する文書の特定に役立つことがある。しかし、「本願と同時に(concurrently herewith)」出願された出願への言及を転記すると、後の継続出願で曖昧になる場合がある。実際の出願番号に更新しておけば、その特定を推測に委ねずに済む。 See Hollmer v. Harari, 681 F.3d 1351, 1355–58 (Fed. Cir. 2012).

具体性と教科書全体への参照

具体性には、参照先文書の特定と、その文書から出願に取り込む内容の特定の両方が含まれる。Advanced Display Systems, Inc. v. Kent State University事件で、連邦巡回区控訴裁判所は、組込みを行う文書が、組み込む内容を詳細かつ具体的に特定し、その内容がどこに記載されているかを明確に示さなければならないと説明した。この判断は、当業者の理解を基準として行われる。正確な書誌情報は参照先の同一性を明らかにするが、組込みの範囲や目的まで必ずしも明らかにするものではない。 Advanced Display Sys., Inc. v. Kent State Univ., 212 F.3d 1272, 1282–83 (Fed. Cir. 2000).

したがって、出願人が後に、明細書中で特定されていない特定の技術的教示に依拠する場合、教科書全体への一般的な参照では不十分なことがある。例えば、明細書が大部の電子工学の教科書に一般的に言及している一方、後の請求項が、その一章で説明された特定の校正方法に依存している場合を考える。その方法を教科書のどこかで見つけるだけでは、当初の参照が必要な具体性をもってその教示を組み込んでいたか、また、組み合わせた開示が請求された発明をサポートするかという問題は解決しない。書名を挙げ、「その全体を(in its entirety)」という文言を付け加えても、これらの問題が自動的に解消されるわけではない。 See id.; Paice, 881 F.3d at 910.

SkinMedica事件は、クレーム解釈におけるこの問題を示している。当該特許には、大部の細胞培養の専門書全体を組み込む旨の記載があった。その後、特許権者は、限定的な解釈に反論するため、ビーズを用いた培養に関する一節に依拠した。連邦巡回区控訴裁判所は、教科書への一般的な参照は、明細書の明確な権利範囲の放棄(disclaimer)を覆すためにその一節に依拠することを特定していないと判断した。同裁判所は、その専門書が内在的証拠(intrinsic record)の一部となるほど十分に具体的に組み込まれていたかについては、明示的に判断を留保した。この判決は、教科書全体の組込みを一律に禁止するものではなく、対象を絞らない教科書への参照に依存するリスクを示すものである。 SkinMedica, Inc. v. Histogen Inc., 727 F.3d 1187, 1207 & n.13 (Fed. Cir. 2013).

長い文献については、著者又は編者、書名、版、及び関連する章又はページを特定することで、意図する内容を見つけやすくなる。明細書には、組み込む具体的な技術、定義、図面又は手順を特定し、開示された発明との関係を説明することもできる。例えば、特定の節及びページ範囲に記載された校正手順への参照は、教科書全体への一般的な参照より多くの情報を伝える。必要な精度は文脈によって異なり、判例は、あらゆる組込みについてページごとの引用を要求しているわけではない。 See Advanced Display, 212 F.3d at 1282–83.

この留保により、Paice事件で認められた原則が維持される。明確な記載があれば、各段落を列挙せずに、明確に特定された特許の開示全体を組み込むことができる。区別を決めるのは、文言と文脈が組み込む内容を十分に特定しているかであり、広い組込みはすべて無効になるという一般則ではない。 See Paice, 881 F.3d at 907–09.

参照先の適格性は、これとは別の制約となる。通常の規則の下では、教科書の一節を正確に特定しても、米国特許として発行される出願において、その一節を必須事項の唯一の組込み参照先として残しておくことはできない。教科書は非特許刊行物であり、規則1.57(e)に基づく非必須事項の組込みには利用できるが、規則1.57(d)に基づく必須事項の許容される参照先ではない。必要な技術的開示を直接記載することで、この参照先の制約に対処できる。当初参照した内容を後に挿入する場合には、なお、以下で説明する補正の要件に従う必要がある。 See 37 C.F.R. § 1.57(d)–(e), (g)–(h); MPEP § 608.01(p), pt. I.A.2.

必須事項と非必須事項

規則1.57は、開示要件を満たす上で果たす役割に応じて、記載事項を分類している。必須事項(essential material)には、記述要件、実施可能要件及びベストモード要件を含む§112(a)の要件、§112(b)の明確性要件、又は§112(f)に基づく機能に対応する構造、材料若しくは行為の特定に必要な情報が含まれる。したがって、この分類は、起草者が参照文献を背景技術と表示したかではなく、請求項のために出願が何を開示する必要があるかによって決まる。 See 37 C.F.R. § 1.57(d).

通常の組込み規則の下では、必須事項を組み込めるのは、必要な内容を直接含む米国特許又は米国公開特許出願からに限られる。参照先自体が、別の文書の組込みだけによってその必須事項を補うことはできない。この制限は、対象となる特定の必須事項に関するものであり、組込み条項があるというだけで、すべての特許を参照先として不適格にするものではない。 See id.

非必須事項(nonessential material)については、許容される参照先の範囲がより広く、外国特許及び公開出願、非特許刊行物、並びに先に又は同時に出願された共通の所有者に属する米国出願が含まれる。ハイパーリンク又はブラウザで実行可能なコードを通じた組込みは禁止されている。したがって、特定可能な公表済みの技術文書と、内容が変化するウェブサイトへのリンクとでは、参照先としての問題が異なる。 See 37 C.F.R. § 1.57(e).

これらの制限があるからといって、不適切な組込みがすべて修復不可能になるわけではない。外国特許又は未公開出願を当初から明示的に組み込んでいた場合、所定の時期に、従前参照した内容を明細書へ挿入できることがある。その内容が請求項のサポートに必要な場合、補正手続が重要となる。 See MPEP § 608.01(p), pt. I.A.2.

組込みと先の出願日

先の出願日を求める出願人は、適用される開示要件と、優先権又は先の出願日の利益を主張するための要件の両方を満たさなければならない。§120に基づく米国国内の先の出願日の利益については、他の条件に加え、先の出願への特定の参照が法律上要求される。現在の非仮出願について、規則1.78は一般に、その利益に関する情報を出願データシート(ADS)に記載することを求めている。明細書中の組込み条項は、その情報の代わりにはならない。 See 35 U.S.C. § 120; 37 C.F.R. § 1.78(a)(3), (d)(2).

Droplets事件は、その帰結を示している。出願人は、関連する出願日の利益に関する情報を含む出願を組み込むことによって、先の出願日の利益を得ようとした。連邦巡回区控訴裁判所は、組込みでは§120の特定の参照の要件を満たさないと判断した。主張された出願日の利益の連鎖についての公示を、明記されていない利益の主張を探すために組み込まれた文書を調べることに依存させることはできない。 Droplets, 887 F.3d at 1318–20.

開示の連続性は別個の問題となる。Zenon事件では、中間の出願における限定的な組込み文言によって、必要な気体分配に関する開示が保持されていなかった。その結果、後の特許は主張していた先の日付を失い、先に出願された同一ファミリーの特許が新規性を否定する引用文献となった。後の出願で記載を復元しても、途中で生じた開示の断絶は修復されなかった。 Zenon, 506 F.3d at 1378–82.

MPEPはまた、米国特許として発行される出願と、有効出願日を確立するためだけに依拠される先の出願とを区別している。必須事項の参照先に関する通常の制限は、後者の判断には同じようには適用されない。その先の出願に組み込まれた内容は、必要なサポートを提供しているかを判断する際に考慮され得る。ただし、この区別は、特許として発行される出願が、その必須の開示を許容されない参照先だけに残すことを認めるものではない。 See MPEP § 608.01(p), pt. I.B.

仮出願と継続出願及び分割出願

仮出願から非仮出願を作成する際には、起草の過程で開示を拡充し、再構成することが多い。略図を正式な図面にし、用語を変更し、実施例を別の節へ移すこともある。この作業により、後に商業上重要となる別の実施形態を省略してしまうこともある。出願前に開示を比較すれば、何が維持され、何が意図的に省略され、何が仮出願にだけ残っているかを確認しやすくなる。

出願時に仮出願を明示的に組み込んでおけば、新規事項を追加することなく、従前参照した内容を挿入するための根拠を保持できる場合がある。しかし、その内容が必須事項であり、未公開の仮出願を通じてのみ利用できる状態にある場合、非仮出願は、それを必須事項の組込みに許容される参照先として依拠することはできない。必要な文章と図面を直接含めることで、この問題に対処できる。先の出願日の利益の主張については、引き続き§119(e)及び規則1.78への別個の適合が必要である。 See 35 U.S.C. § 119(e); 37 C.F.R. §§ 1.57(d), 1.78(a); MPEP §§ 211.02, 608.01(p), pt. I.B.

同じ確認は、継続出願及び分割出願でも重要となる。各明細書に実施形態を直接残しておけば、複数の組込み条項をたどって開示を再構成する場合よりも、後のサポートの分析が容易になる。ファミリー全体を検討する際には、想定する請求項の各限定を、最も早くサポートを提供した開示に対応付け、その間の各出願が請求された組合せを保持しているかを確認できる。この方法により、同じ用語を使っていても、開示の内容が異なることを明らかにできる。 See Zenon, 506 F.3d at 1378–82; Hollmer, 681 F.3d at 1355–58.

意図せず脱落した内容の回復

規則1.57(b)は、明示的な組込み条項がなくても利用できる救済措置を定めている。明細書又は図面の内容が意図せず脱落し、出願日に要件を満たす優先権又は先の出願日の利益の主張が存在し、かつ、脱落した内容が先の出願に完全に含まれていた場合に適用される。米国特許商標庁(USPTO)の指針によれば、完全に含まれているというためには、先の出願の当初の書類に明示的な開示が必要である。この手続は、暗示された内容を組み合わせて欠落した開示を作り上げることを認めていない。 See 37 C.F.R. § 1.57(b); MPEP § 217, pts. II.C–D.

出願日に先の出願日の利益を主張していたからといって、先の出願の明細書全体が自動的に取り込まれるわけではない。脱落した内容を追加する補正が必要となる。提出書類では、先の出願中でその内容が記載されている箇所を特定し、規則上の例外に従いつつ、必要な写し及び翻訳文を含めなければならない。補正は、適用される庁の指定期間及び規則上の審査手続の期限を満たす必要がある。 See 37 C.F.R. § 1.57(b)(1); MPEP § 217, pt. II.E.

例えば、アップロードした出願書類一式から図面シートを誤って除外した場合、そのシートが先の出願に含まれ、出願日に優先権又は先の出願日の利益の主張が存在していれば、救済の対象となることがある。一方、新たに着想した特徴を説明するため、後から初めて作成した図面は別の問題となる。この救済措置は、既存の開示を回復するものであり、後に開発された事項に対するサポートを新たに確立するものではない。

明示的な組込みと、意図しない脱落に対処する手続とでは、特許発行後の帰結も異なる。規則1.57(b)に基づいて回復されていなかった内容を、特許発行後に同項に依拠して訂正証明書又は再発行によって追加することはできない。この制約があるため、審査手続が係属している間に、提出済みの明細書と図面を確認することが特に有用となる。 See MPEP § 217, pt. II.E.

審査手続における不備の補正

出願時に十分に成立していた組込みについては、補正により明確化できる場合がある。この規則は、当初の出願が組込みの意図を明確に伝えていたとき、欠けていた組込みの用語を補正することを認めている。また、当初明細書が意図する文書を一義的に特定していたときは、文書の識別情報の補正も認めている。無関係な引用文献を、起草者が後に意図していたと述べる別の参照先へ、単純に置き換えることはできない。 See 37 C.F.R. § 1.57(h)(1)–(2).

従前組み込まれていた内容を明細書又は図面に挿入する場合、規則1.57(g)は、補正とともに、挿入する内容が従前組み込まれていた内容であり、補正が新規事項を含まない旨の陳述を求めている。参照先の該当箇所と、補正後の開示との関係も示すことで、補正の根拠を評価しやすくなる。 See 37 C.F.R. § 1.57(g).

時期の要件は、手続の状況によって異なる。MPEPは、庁が最初に指摘した不備と、出願人が最初に発見した不備とを区別している。前者は庁の応答期間内に補正しなければならず、後者の最終期限は、審査手続の終結又はそれより早い出願の放棄である。審査手続は、最終拒絶理由通知、特許許可又は不服申立てによって終結することがある。したがって、特許発行を通常の補正期限と考えることは適切でない。 See 37 C.F.R. §§ 1.57(h), 1.114(b); MPEP § 608.01(p), pt. I.A.2.

請求項の補正により、さらに複雑な問題が生じることがある。例えば、外国特許を背景技術として組み込んでいたものの、新たな請求項の限定がその開示に依存する場合、その内容が必須事項に変わることがある。MPEPの例では、規則1.116に基づく補正の受入れに関する実務に従うことを条件に、最終拒絶理由通知後の補正による挿入、又はその補正を伴う継続審査請求(RCE)が認められている。出願人の請求項補正によって必要となった最終拒絶理由通知が適切となる場合もある。 See MPEP § 608.01(p), pt. I.A.2, ex. 2.

特許発行後について、MPEPは、効力を欠く明示的な組込みを是正するために、請求項の範囲を変えるおそれのある訂正証明書ではなく、再発行が利用可能な手続となり得ることを示している。その利用可能性は、再発行の要件と当初開示によって決まる。この救済の可能性は、別個の規則1.57(b)の救済措置を特許発行後まで延長するものではない。 Compare MPEP § 608.01(p), pt. I.A.2, with MPEP § 217, pt. II.E.

クレーム解釈への影響

組み込まれた開示は、サポートだけでなく請求項の意味にも影響し得る。組み込まれた文書にある定義や説明は、組込みを行った特許の解釈において考慮される資料の一部となる。ただし、その効果は、組込みを行った明細書の文脈によって決まる。先の特許を組み込んだからといって、先の発明に関するすべての説明が、自動的に後の請求項の限定となるわけではない。 See Finjan LLC v. ESET, LLC, 51 F.4th 1377, 1382–83 (Fed. Cir. 2022).

Finjan事件では、組み込まれた同一ファミリーの特許が、サイズの制約を用いてダウンロード可能なプログラムを定義していた。一方、権利行使された特許は、より広い説明と実施例を用いていた。連邦巡回区控訴裁判所は、その先の制約を自動的に後の特許へ持ち込む解釈を退けた。この判決によれば、ファミリー内で行われた変更も含め、組込みを行った側の開示が発明をどのように説明しているかを検討する必要がある。 Id.

組み込まれた仮出願と後の明細書との間の変更は、より狭い解釈を支持することもある。DDR Holdings事件では、仮出願が「merchant(販売業者)」を製品又はサービスの提供者と説明していたのに対し、後の特許はサービスへの言及を削除し、商品に関連して「merchant」を説明していた。連邦巡回区控訴裁判所は、この変更を重視し、仮出願が組み込まれていたにもかかわらず、この用語はサービスを含まないと解釈した。後の明細書の作成時に行われた変更の解釈上の意義は、組込みによって失われなかった。 DDR Holdings, LLC v. Priceline.com LLC, 122 F.4th 911, 916–17 (Fed. Cir. 2024).

同じ考え方が、より広い範囲を支持する場合もある。仮差止めに関する控訴であるFMC事件では、権利行使された特許の明細書から、仮出願にあった安定性についての開示がすべて省略されていたことから、「組成物(composition)」を安定な製剤に限定することが否定された。同裁判所は、変更の効果が請求項を広げるか狭めるかではなく、文書間の変更自体の意義を重視した。 FMC Corp. v. Sharda USA, LLC, 145 F.4th 1326, 1331–32 (Fed. Cir. 2025).

これらの判決は、組込みを行った側の開示の文脈におけるクレーム解釈に関するものである。あらゆる省略が権利範囲の放棄に当たること、組込み自体が無効であったこと、又は省略された技術的開示が記述要件の充足に必ず利用できなくなることを意味するものではない。先の文書が組み込まれている場合でも、各段階の明細書の実際の文言を比較することが引き続き重要である。 See DDR Holdings, 122 F.4th at 916–17; FMC, 145 F.4th at 1331–32.

どの程度の開示を組み込むかを決める際にも、この問題を検討する価値がある。広い条項は代替形態を保持する一方、クレーム解釈の争いを招く定義や説明を持ち込むことがある。狭い条項は無関係な内容を避ける一方で、後にサポートとして必要となる実施形態を除外してしまうことがある。組み込む文書の用語を確認し、組込みを行う側の発明との関係を説明することで、この選択を意識的に行いやすくなる。

参照による出願という別個の手続

規則1.57(a)は、先に提出された出願を参照して出願する手続を定めている。この手続では、参照を出願データシートに記載し、同規則に基づく出願日を得る目的で、その参照が明細書と図面に代わる。出願人は後に、必要な写しに加え、適用される手数料や翻訳文など、その他の必要なものを提出しなければならない。この参照の利用は、それ以外の点では完全な明細書に、選択した開示を組み込むこととは異なる。 See 35 U.S.C. § 111(c); 37 C.F.R. § 1.57(a).

ADSの参照による出願の欄も、優先権又は先の出願日の利益の主張を成立させるものではない。適切な優先権又は米国国内の先の出願日の利益に関する情報は、引き続き必要となる。USPTOは、明細書と図面が用意できている場合には、それらを提出するよう案内している。これは、出願書類を同時に提出していても、参照による出願の欄に記入すると、その手続と追加手数料が適用され得るためである。 See MPEP § 601.01(a), pt. III.

PCT出願及び欧州出願に関する考慮事項

PCTは、欠落した要素若しくは部分への対応、及び誤って提出された要素若しくは部分の訂正の手続において、参照による組込みを利用している。欠落した内容又は正しい内容は、当初の書類が受領された時点で優先権が主張されていた先の出願に、完全に含まれていなければならない。組込みの陳述も、その当初の日に国際出願に含まれていたか、国際出願とともに提出されていなければならない。その陳述が当初の提出書類の別の箇所に存在していた場合には、後に願書に追加できる。規則20.6に基づく後の確認によって、当初まったく存在しなかった組込みの陳述を補うことはできない。 See Regulations Under the Patent Cooperation Treaty rr. 4.18, 20.6.

確認には、該当する用紙と、必要な写し又は翻訳文の提出が必要となる。明細書、請求の範囲又は図面の一部に関する場合には、先の出願中、及び該当する場合にはその翻訳文中のどこにその部分があるかを特定しなければならない。規則20.7は、一般に、補充の求めがあった場合にはその日から2か月、求めがない場合には出願書類の当初の受領日から2か月の期間を定めている。各官庁に固有の国内法令との不適合は、組込みが認められるかに影響することがある。 See id. rr. 20.6–20.8.

米国における意図しない脱落への対応手続は、これらの国際的な要件に代わるものではない。国際出願に関する規則1.57(b)に基づく補正は、米国についてのみ効力を有し、国際出願日を変更しない。USPTOは、米国国内段階への移行及び国内段階の開始がなされる前、又は当該国際出願の利益を主張する§111(a)に基づく出願が提出される前には、その申請について措置をとらない。したがって、回復した開示が指定国全体で効力を持つ必要がある場合、出願時の誤りについて、国際段階で速やかに検討する必要がある。 See 37 C.F.R. § 1.57(b)(2).

欧州実務も、必須の技術的開示を直接記載する理由となる。発明の開示を目的とする参照について、EPO審査ガイドラインは、参照される内容が必須事項か非必須事項かを問わず、通常の参照による組込みの文言を削除するよう求めている。その内容が発明の実施に必須である場合には、相互参照された文書からの事項の追加に関する制限に従うことを条件として、明細書に明示的に含めることも求めている。 See European Pat. Off., Guidelines for Examination in the European Patent Office pts. F-III, § 8, H-IV, § 2.2.1 (2026).

これらの制限によれば、当初明細書は、関連する特徴について保護が求められているか又は求められ得ること、その特徴が発明の技術的課題の解決に寄与すること、その特徴が少なくとも黙示的には明確に開示された発明に属すること、及び参照先で正確に定義され特定可能であることについて、当業者に疑いを残さないものでなければならない。参照文書が出願時に公衆に利用可能でなかった場合には、出願日までにその写しがEPO又は適切な受理官庁に利用可能であったこと、及び遅くとも当該出願の公開までに参照文書が公衆に利用可能となっていたことも必要となる。米国向けの組込み条項がこれらの条件を満たすと当然に考えることはできない。 See id. pt. H-IV, § 2.2.1.

審査手続を通じた組込みの確認

有用な出願前の確認は、意図する請求項から始め、明細書の外にしか存在しないサポートを特定することである。各参照先について、文書の同一性、意図する組込みの範囲、及びその内容が必須事項かどうかを確認できる。大部の教科書やその他の広範な文献については、特定の教示とその所在が、出願中で十分な精度をもって特定されているかを確認することも有用である。重要な技術的説明と図面を再掲すれば、出願を審査しやすくなり、後にサポートを立証するための作業を減らすことができる。

請求項が変更される際にも、確認は有用となる。組み込まれた文書から追加した限定によって、その内容の挿入、記述要件についてのより詳細な分析、又は先の出願日の利益の連鎖の検討が必要となる場合がある。特許許可前に、未解決の組込みに関する指摘と、未補正の脱落を確認すれば、利用できる救済措置が使われないまま失効することを防ぎやすくなる。

冒頭の継続出願の例では、校正ルーチンを直接記載しておけば、サポートを評価しやすかったはずである。当初の組込みが十分に広ければ、適用される参照先及び補正の要件に従うことを条件に、先の開示を利用する余地を保持できた可能性もある。起草の目標は、発明を説明し、想定された代替形態を保持する明細書を作成するとともに、組込み条項の範囲と帰結についても、出願の他の部分と同じ慎重さで検討することである。

 
 
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Brandon R. Theiss

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画像サイズ変更プロジェクト - 2026年7月22日

Brandon R. Theissは、AddyHartのDivergent Patent Law部門に所属する、テクノロジー分野を中心に扱う米国登録特許弁護士です。ソフトウェア、クラウドコンピューティング、データ分析、医療機器、自動化システム、自動車システムなどの技術について、米国特許出願・権利化、特許付与後手続、特許適格性、特許戦略に関する助言を提供しています。Villanova University Charles Widger School of Lawの非常勤教授を務めるほか、FDA and Intellectual Property Strategies for Medical Device Technologiesの共著者でもあります。

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