米国意匠特許の出願審査における規則132陳述書の活用

要旨:37 C.F.R. § 1.132に基づく陳述書は、装飾性、LKQ判決後の自明性、商業的成功とクレームされた意匠との結び付きに関する証拠を提出することにより、意匠特許出願を補強することができる。その説得力は、関連事実を知る陳述者、理由の示された説明、そして図面において実際にクレームされている内容に結び付いた裏付け資料に左右される。発明者の証言は、美的選択の説明に特に有用であり、当時の記録やその他の補強証拠は、その事実的基盤を強固にする。ただし、独立した補強証拠の必要性は個別の事情によって決まり、すべての発明者陳述書に一律に要求されるものではない。商業的成功や業界からの称賛とクレームされた意匠との関連性(nexus)は、適切な推定又は直接的な証拠によって立証できる。クレームされていない重要な特徴があるため推定を利用できない場合でも、直接立証の余地は残る。陳述書は、当初の開示が何を伝えているかを説明することもできるが、欠けている主題を補うことはできない。本稿は、陳述者の選定、重要な主張の裏付け、事実に関するデザイン上の意見と法的結論との区別、及び考慮され得る時期における証拠提出を検討する。また、陳述書の不受理と、審査官による内容面での評価を争う手続の違い、並びに継続審査出願と通常の継続出願のいずれを選択するかによる影響も説明する。
はじめに
意匠特許出願では、視覚的な開示が明確であっても、図面だけでは立証できない事実を理由に拒絶されることがある。例えば、審査官は、筐体の外観が機能によって決定されている、通常の技能を有するデザイナーであれば異なる製品の特徴を組み合わせる、又は商業的成功はクレームされた外観ではなく技術的性能に起因すると判断する場合がある。37 C.F.R. § 1.132に基づく陳述書は、関連証拠を審査記録に提出し、こうした判断を再検討するための事実的根拠を審査官に提供することができる。
説得力のある陳述書は、まず、争われている命題を特定する。関連事実を誰が知っているのか、その者がどのように知識を得たのかを説明し、裏付け資料を提示する。発明者の証言は、特に美的選択を説明する際の有用な出発点となる。その重要な主張を支える当時の文書その他の証拠も記録に含まれていれば、説得力は高まる。実務上は、そのような裏付けをあらかじめ確保するとともに、個別事案に即した証拠上の要件と、すべての発明者陳述書について独立した補強証拠を要求する一律のルールとを区別する必要がある。
規則132の役割
米国特許法第171条は、製造物品について、新規かつ独創的で装飾性のある意匠に対する特許を認め、原則として特許法の規定を意匠にも適用する。規則132は、他の規定により別途定められていない根拠に基づき、拒絶又は指摘に反論するための証拠を提出する手続を提供する。したがって、その用途は、実用特許の出願審査で一般に想定される技術的実験に限られない。35 U.S.C. § 171(a)–(b); 37 C.F.R. § 1.132.
陳述書は、出願及び提示された拒絶理由に関する証拠によって審査記録を補充する。通常の米国国内の意匠出願実務では、クレームは物品を特定し、意匠を「図示されたとおり」、又は「図示され記載されたとおり」として示す。そのため、出願人が保護を求める対象は、図面及び適切な説明によって決まる。市販製品に関する証拠は、破線の取扱いや部分意匠の境界を含め、実際にクレームされた対象に対応させなければならない。37 C.F.R. §§ 1.152–1.153; U.S. Patent & Trademark Off., Manual of Patent Examining Procedure §§ 1503.01(III), 1503.02(III) (9th ed., rev. 01.2024, Nov. 2024) [hereinafter MPEP].
審査官が拒絶理由を示したというだけで、陳述書が必要になるわけではない。特許を受けられないことについて一応の立証(prima facie case)を行う責任は、まず審査官にある。出願人が証拠又は反論を提出した後は、記録全体に基づいて特許性が評価される。In re Oetiker, 977 F.2d 1443, 1445 (Fed. Cir. 1992). したがって、代理人は、応答に必要なのが追加の事実なのか、法的分析の修正なのか、それともその両方なのかを特定する必要がある。証言の準備は、争いのある事実的前提にとって重要な情報を提供する場合に、最も有用となる。
装飾性の立証
実用的な物品であっても、特許を受けられる装飾的意匠を有することがある。問題となるのは、クレームされた外観を全体として見たとき、それが物品の用途又は目的によって決定されているかどうかである。機能的な構成要素が存在するという事実だけでは、この問題は解決しない。L.A. Gear, Inc. v. Thom McAn Shoe Co., 988 F.2d 1117, 1123–24 (Fed. Cir. 1993).
米国特許商標庁(USPTO)は、装飾性の欠如を理由とする拒絶への対応手段として、規則132陳述書を明示的に認めている。出願人又は意匠の制作を依頼した企業の代表者は、制作に影響した美的考慮事項を特定し、どの特徴がそれを体現しているかを説明することができる。USPTOは、外観を強調する広告や、採用可能な代替意匠に関する証拠も認めている。MPEP § 1504.01(c)(III)–(IV). このような指針に照らすと、開発経緯は審査記録の有用な一部となり得る。
例えば、製品の筐体に関する陳述書では、デザイナーが段差のある輪郭よりも連続した曲線状のシルエットを選んだ理由、二つの表面の接合部に意図した見え方、及び検討した代替案を説明することができる。日付のあるデザイン指示書や通信記録は、依頼者が特定の視覚的特徴を求めていたことを示し得る。証言では、魅力的な製品を作るというデザイナーの一般的な姿勢を述べるだけでなく、個々の判断を出願に示された特徴に結び付ける必要がある。
代替的な構成は、外観の選択の自由を示す助けとなるが、その存在だけで装飾性が当然に立証されるわけではない。代替案が実際にどのような機能を果たせるかが重要である。対象となる機能を果たせない案は、デザインの自由度を裏付ける証拠としての価値が乏しい。裁判所は、関連する実用特許や、機能上の利点を説明する広告も考慮し得る。Berry Sterling Corp. v. Pescor Plastics, Inc., 122 F.3d 1452, 1455–56 (Fed. Cir. 1997). 有用な提出資料は、代替案がどのように機能するかを説明するとともに、選ばれた外観が機能上の必要性に由来することを示唆する重要な証拠にも対応する。
連邦巡回区控訴裁判所は、最近、クレーム解釈が争点となった侵害事件において、この点を改めて確認した。Range of Motion Products, LLC v. Armaid Co.において、同裁判所は、代替意匠は重要であり、結論を左右することもあり得るが、その存在によって他の関連する機能性の証拠の検討が一律に妨げられるわけではないと説明した。また、提示された代替案が同等の機能を備えているかどうかも検討した。Range of Motion Prods., LLC v. Armaid Co., 166 F.4th 981, 989–90 (Fed. Cir. 2026). この判断は、提示された代替案の実質を、その他の証拠と併せて評価することを支持している。
最終的な使用時に外観が隠れることも、関連する問題である。In re Webbでは、連邦巡回区控訴裁判所は、股関節インプラントが体内への埋込み後に見えなくなることを決定的と扱う分析を退けた。物品の商業的なライフサイクルのより早い段階では、外観が重要である可能性がある。同裁判所は証拠を検討させるために差し戻したのであり、使用前に見える機会があれば必ず装飾性が立証されると判断したわけではない。In re Webb, 916 F.2d 1553, 1557–58 (Fed. Cir. 1990). したがって、陳述書では、外観がいつ、誰にとって重要なのかを説明する必要がある。カタログや販売説明資料は、購入者が物品を識別したり、その動作を評価したりできるというだけの場合よりも、美的な重要性を示している場合の方が有用である。
LKQ判決後の自明性への対応
LKQの大法廷判決は、硬直的なRosen–Durlingの要件を、Grahamの諸要素を柔軟に適用する枠組みに置き換えた。同判決は、主引用例に対する「基本的に同じ(basically the same)」という閾値と、副引用例に対する「so related」という関連性の制約を撤廃した。ただし、分析には、特定された現実に存在する主引用例が引き続き必要であり、通常はクレームされた意匠と視覚的に最も類似する意匠がこれに当たる。LKQ Corp. v. GM Glob. Tech. Operations LLC, 102 F.4th 1280, 1295–98 (Fed. Cir. 2024) (en banc); Graham v. John Deere Co., 383 U.S. 1, 17–18 (1966).
陳述書は、この分析の事実的前提に対応することができる。経験豊富なデザイナーは、関連する分野、通常参照される着想源、及び視覚的な相違の意味を説明することができる。各引用例は、類似技術分野の先行技術(analogous art)に該当しなければならない。LKQは、同一の活動分野に属する意匠を認める一方、その分野外の先行技術をどのように扱うかについては、今後の発展に委ねた。したがって、製品のカテゴリーが異なることだけで、analogous artに該当しないと判断することはできない。LKQ, 102 F.4th at 1296–98.
USPTOの実施指針は、通常の技能を有するデザイナーの視点から、全体的な外観を比較することを求めている。拒絶が変更又は組合せに基づく場合、記録には、そのようなデザイナーが、許されない後知恵によることなく、提案された変更を行う理由を裏付ける内容が必要となる。その理由が引用例自体に明示されている必要はない。U.S. Patent & Trademark Off., Updated Guidance and Examination Instructions for Making a Determination of Obviousness in Designs in Light of LKQ Corp. v. GM Global Technology Operations LLC 2–3 (May 22, 2024).
実務家は、Rosen–Durlingの閾値を説明する旧来のMPEPの記載を、LKQ及びUSPTOの実施指針に照らして読む必要がある。2025年1月、USPTOは、LKQと整合しないことを理由に定型文15.68を削除し、関連する審査官向け注記を改訂するとともに、対応するMPEPの記載に明示的に優先することを示した。U.S. Patent & Trademark Off., Revised Form Paragraphs for Design Patents and Applications 1 (Jan. 14, 2025).
実務家は、拒絶理由の実際の論理展開に沿って証言を構成することができる。例えば、審査官が、ある製品の装飾帯を別の製品に移すことを提案した場合、陳述者は、その変更が比率、輪郭及び視覚的連続性にどのような影響を与えるかを説明することができる。当時の業界資料は、そのような特徴の転用が通常行われていたという主張を支持することも、反証することもある。注記付きの比較資料では、図の全体を保持し、特定された相違が全体的な外観にどのような影響を与えるかを説明する必要がある。意匠が「独特」であるとか、引用例とは見た目が違うという主張だけでは、こうした説明がなければ判断材料として乏しい。
陳述書は、事実と理由の示されたデザイン上の意見を提示し、代理人の意見書は、その法的意義を説明する役割を担う。陳述者は、通常のデザイン実務、提案された変更が外観に及ぼす影響、又は引用例を組み合わせるための事実的根拠を論じることができる。クレームされた意匠は「非自明」であるという結論だけを述べても、分析への貢献は乏しい。MPEPは、この最終的な法律問題に関する専門家の意見を避けるよう示している。MPEP § 1504.03(III).
陳述者は、判断に関係する当時の視点も特定する必要がある。現在の嗜好は、法律上の基準時に通常の技能を有するデザイナーが何を理解していたかを示す証拠として、適切でない場合がある。証言が長年の経験に基づく場合には、特定のプロジェクト、刊行物又は業界慣行を挙げることで、審査官がその関連性を評価しやすくなる。
商業的な証拠とクレームされた意匠との結び付き
商業的成功、業界からの称賛及び模倣は、非自明性を裏付けることができる。LKQは、これらの確立した考慮事項を維持する一方、長年満たされなかった必要性や他者の失敗など、一部の他の要素の意義については、今後の事件での検討に委ねた。LKQ, 102 F.4th at 1300. このような証拠については、関連性(nexus)に慎重な注意を払う必要がある。
Campbell Soup Co. v. Gamon Plus, Inc.では、市販製品にクレームされていない重要な機能的特徴が含まれていたため、連邦巡回区控訴裁判所は、関連性の推定を認めなかった。これらの特徴を装飾上重要でないと扱うだけでは、製品の範囲がクレームされた意匠の範囲と実質的に一致することは立証されなかった。同裁判所はさらに、成功及び称賛を、クレームされた意匠に固有の特徴に結び付ける証拠も不十分であると判断した。Campbell Soup Co. v. Gamon Plus, Inc., 10 F.4th 1268, 1276–79 (Fed. Cir. 2021).
関連性の立証には、二つの方法がある。出願人は、クレームされた意匠を具現化し、かつそのクレームの範囲と実質的に一致する製品に証拠を結び付けることにより、反証可能な推定を受けることができる。推定を利用できない場合でも、その成果と、クレームされた意匠に固有の特徴とを結び付ける証拠によって、関連性を直接立証することができる。MPEP § 716.01(b); Campbell Soup, 10 F.4th at 1276–79. 陳述書では、出願人が推定、直接立証又はその両方のいずれに依拠するのかを明らかにし、それを支える事実を提示する必要がある。
出願審査で提出する陳述書は、売上証拠の対象となる製品のバージョンを特定し、図面との対応関係を説明する必要がある。デザイン変更後の売上高の変化は検討の契機となり得るが、分析では、価格、流通、広告又は性能の変化も考慮する必要がある。顧客調査は、購買判断に影響した視覚的特徴を特定する場合に、特に有用となる。受賞実績については、特に工学的性能や持続可能性も評価対象となる賞であれば、審査基準及び当該評価内容によって裏付ける必要がある。
売上の存在を補強することと、売上とクレームされた意匠との結び付きを立証することは、別の作業である。信頼できる財務記録は、商業的成果を立証しても、その原因までは説明しない。陳述書は、主張する関係に適した証拠を用いて、その結び付きをさらに示す必要がある。
当初開示の説明
規則132に基づく証拠は、当初の図面が、その分野に通じた読者に何を伝えているかを説明する助けとなり得る。知識を有する陳述者は、作図上の慣行を説明したり、一見したところの不整合がクレームされた外観について不確実性を生じさせない理由を説明したりすることができる。ただし、その評価は、あくまで出願の開示に基づかなければならない。
In re Maatitaは、開示の十分性が、クレームされた意匠によって決まる理由を示している。連邦巡回区控訴裁判所は、図面が考え得るすべての三次元形状を明らかにしていなくても、問題となった靴底意匠は一つの平面図によって適切に開示され得ると判断した。判断に当たっては、当業者が通常の観察者の視点から意匠を見たとき、その範囲を合理的な確実性をもって理解できるかどうかが検討された。In re Maatita, 900 F.3d 1369, 1375–78 (Fed. Cir. 2018). この判決は、後日の証言によって欠落した主題を補うことを認めるものではない。
後から作成した描画は、出願によって既に裏付けられている解釈を示すために用いることができる。しかし、未開示の輪郭を補ったり、発明者がその部分を意図していたと述べるだけで、新たに選択された部分を当初から保有していたことを立証したりすることはできない。記載要件上の裏付けは当初の開示に見いだされなければならず、補正によって新規事項を導入することはできない。35 U.S.C. §§ 112(a), 132(a); 37 C.F.R. § 1.121(f); In re Owens, 710 F.3d 1362, 1366–68 (Fed. Cir. 2013). 代理人は、陳述者の説明を支える具体的な当初図面を特定し、説明用の添付資料には、その役割が明確になるよう表示する必要がある。
陳述者の選定と発明者証言の補強
適切な陳述者は、立証を要する命題によって決まる。美的選択の説明には、発明者が最も適している場合がある。工業デザイナーは、通常のデザイン実務を説明できる。顧客は外観が購買判断に影響した理由を説明でき、企業の担当者は売上記録が真正なものであることを確認できる。規則132の実務では、主張される事実について知識を有する者による証言が認められており、独立した専門家の証言が常に必要なわけではない。Gregory S. Emch, U.S. Patent & Trademark Off., Declaration Practice Under 37 CFR 1.132 (Rule 132) 4–5 (Mar. 28, 2023).
各陳述書は、実質的な主張を述べる前に、陳述者の資格、本人の関与及び出願人との関係を明らかにする必要がある。また、証言の評価に関係する利害関係も開示する必要がある。専門家が事件の結果について有する利害関係及び意見の事実的裏付けは、証拠の重みに影響する。MPEP § 716.01(c)(III). 陳述書では、本人が直接観察した事実と、特定された資料から導いた意見を区別する必要がある。デザイナーが開発に参加したからといって、顧客の嗜好を知っていることが当然に立証されるわけではない。また、営業責任者が売上高の数値にアクセスできることは、過去のデザイン実務に関する専門性を必ずしも立証しない。
発明者が過去の出来事を述べたり、特許性に有利な主張をしたりする場合には、証言の補強に特に注意を払う必要がある。EmeraChem Holdings, LLC v. Volkswagen Group of America, Inc.では、連邦巡回区控訴裁判所は、先行技術として援用された先の特許の記載部分と、クレームされた主題とが、同一の発明主体によるものであることを立証するには、発明者の陳述書は不十分であると判断した。その陳述書は、約20年前の出来事を対象としていたが、関連主題の帰属に関する主張を支える背景事情、説明又は証拠を提示していなかった。EmeraChem Holdings, LLC v. Volkswagen Grp. of Am., Inc., 859 F.3d 1341, 1345–48 (Fed. Cir. 2017). この事件は、AIA改正前の先行技術を扱う当事者系レビュー(inter partes review)におけるものではあるが、利害関係を有する者の裏付けのない主張に依存することについて、実務上の注意を促している。
同裁判所は、すべての事件で当時作成された文書証拠を要求することも否定した。補強の有無は、関連証拠及び個別の事情に照らして評価され、独立した間接証拠で足りる場合もある。Id. at 1347–48. 同様に、規則130及び131に関するAIA施行規則の制定過程において、補強証拠の要件を設ける提案に回答した際、USPTOは、査定系審査における補強の必要性は個別の事実によると説明した。Changes To Implement the First Inventor To File Provisions of the Leahy-Smith America Invents Act, 78 Fed. Reg. 11,024, 11,044 (Feb. 14, 2013). これらの法源は、独立した証人を伴わない発明者陳述書をすべて無効なものと扱うことなく、証拠の十分性を慎重に検討することを支持している。
意匠出願の審査では、有用な補強証拠が、通常の開発記録の中に既に存在することがある。デザイン指示書は、美的目標を記録できる。代替スケッチを送付した電子メールは、何が、いつ検討されたかの立証に役立つ。CADの改訂履歴は、変更の順序を確認し得る。制作を依頼した顧客や製造業者が、個々の判断を直接知っている場合もある。代理人は、大量の資料を添付して審査官に経緯の再構成を委ねるのではなく、資料の出所と関連性を説明する必要がある。別の陳述者が発明者の説明を単に繰り返すだけでは、独立した裏付けとして加わるものは少ない。
証拠は、個々の主張を支えなければならない。真正性の確認されたスケッチは、開発上の判断を裏付けても、商業的成功をその判断に帰属させる根拠を提供しない場合がある。Campbell Soupでは、発明者が成功の原因をラベル領域の比率に求めた主張には、記録上の裏付けがなかった。同裁判所はさらに、図面ではラベル領域の境界が破線で示されていたため、クレームは、ラベル領域の特定の大きさや缶との間隔を要求していないと説明した。Campbell Soup, 10 F.4th at 1278–79. したがって、証言の補強とクレームとの対応関係は、一体として検討する必要がある。
このような整理は、陳述書の作成作業自体も改善する。代理人は、重要な各主張について、その情報源、裏付けとなる添付資料及び拒絶理由との関係を整理することができる。解消されていない不整合は、署名前に調査する必要がある。規則68に基づく陳述書を用いる場合には、本人が知る事実及び情報・確信に基づく事項に関する所定の陳述と、故意の虚偽陳述に関する所定の警告を文書に含めなければならない。37 C.F.R. § 1.68. 適式な署名等は提出物に証拠としての形式を与えるが、その説得力を生むのは、事実の説明と裏付けとなる記録である。
適切な手続の選択
規則63に基づく発明者の陳述書は、拒絶理由に反論する規則132に基づく提出とは異なる目的を有する。発明者の宣誓又は陳述書の要件を満たしたことだけでは、個々の拒絶理由を克服するために必要な事実上の命題は立証されない。35 U.S.C. § 115; 37 C.F.R. §§ 1.63, 1.132.
同様に、主題の帰属又は要件を満たす先の公衆への開示に基づき、AIAの先行技術の例外を主張する出願人は、規則130及びその具体的な要件を検討する必要がある。規則132は、本来先行技術に該当する開示を一般的に排除する手段ではない。適用対象となるAIA改正前の事件では、主題の帰属に関する陳述書と先発明の陳述書は、それぞれ規則132及び131に従い、異なる手続をとる。37 C.F.R. §§ 1.130–1.132; MPEP §§ 715, 716.10, 717.01. 適切な手続は、陳述書に付した名称ではなく、適用法及び立証しようとする命題に従って選択されるべきである。
提出時期と審査官による検討
最終拒絶(final rejection)前に証拠を準備することは、一般に、その検討を受けるための最も確実な機会を確保する。適時に提出された証拠は評価されなければならず、不十分と判断する審査官は、その欠点を説明しなければならない。陳述書に有効性がない、又はクレームの範囲に対応していないという抽象的な指摘だけでは、必要な説明とはならない。MPEP § 716.01. 代理人の添付意見書では、争いのある各前提に対応する陳述書の段落及び添付資料を特定する必要がある。
最終拒絶後は、陳述書の受理、すなわち記録への編入は保証されない。審判請求前又は審判請求当日までに提出する場合、規則116(e)は、その証拠が必要であり、かつそれまで提出されなかったことについて、十分かつ相当な理由を示すよう求めている。37 C.F.R. § 1.116(e). 審判請求日後、審判理由書の提出前に提出する場合には、規則41.33(d)(1)により、審判の対象となるすべての拒絶理由を当該証拠が克服すると審査官が判断することが、さらに必要となる。審判請求後に提出されるその他の証拠は、定められた審査再開又は差戻しの手続による場合を除き、原則として認められない。37 C.F.R. § 41.33(d). そのため、審判理由書を提出する段階まで事実に関する記録の整備を先送りすると、有用な証拠が実体判断で検討されないおそれがある。
代理人は、陳述書の不受理と、受理された陳述書に説得力がないという判断を区別する必要がある。不受理を含む、形式的な充足性及び適式性に関する問題は、通常、請願(petition)によって争う。これに対し、受理された証拠についての審査官の実体的評価は、争われた拒絶理由の一部として審判(appeal)で審理される。MPEP § 1002.02(c), item 3(c); Gregory S. Emch, U.S. Patent & Trademark Off., Declaration Practice Under 37 CFR 1.132 (Rule 132) 54 (Mar. 28, 2023).
意匠出願では、継続的な審査についても異なる対応が必要となる。意匠出願では、継続審査請求(RCE)を利用できない。直前の先の出願が要件を満たす米国国内の意匠出願である場合には、規則53(d)に基づく継続審査出願(CPA)を利用できることがあるが、国際意匠出願から直接CPAを行うことはできない。規則53(b)に基づく適切な継続出願が、別の選択肢となり得る。37 C.F.R. §§ 1.53(b), (d)(1), 1.114(e)(4)–(5); MPEP § 201.06(c)–(d).
CPAの請求には、CPAの出願日をもって先の出願を明示的に放棄する請求も含まれる。先の出願を係属させておきたい出願人は、CPAと規則53(b)に基づく別個の継続出願を選択する際、この効果を考慮する必要がある。37 C.F.R. § 1.53(d)(2)(v).
これらの手続を利用する際には、証拠記録にも注意を払う必要がある。規則132に基づく証拠はCPAに引き継がれるが、親出願の証拠が規則53(b)に基づく継続出願の記録に自動的に含まれるわけではない。当該証拠に依拠する場合には、その写しと適切な説明を付した意見書を提出する必要がある。MPEP § 201.06(c)(IX). 出願戦略では、出願の手続上の地位と、応答を裏付けるために必要な証拠の双方を維持する必要がある。
三つの活用例
外観が機能によって決定されているとして拒絶された筐体を考える。発明者は、同じ内部部品を収容できた三つの構成を示し、選ばれた輪郭が美的に好まれた理由を説明する。当時の顧客の電子メールと試作品の写真が、その説明を裏付ける。提出資料は、代替案が関連する動作上の制約を満たしていたかも説明し、美的選択をクレームされた表面に結び付けることで、最も強い説得力を持つ。
次に、収納容器と、別の家庭用品に付された装飾とを組み合わせる拒絶を考える。当該業界のデザイナーが、基準時に容器のデザインで通常参照されていた資料を説明し、提案された変更を分析し、その分析を日付のある業界資料で裏付ける。陳述書は、組合せの実際の前提に対応する。その有用性は、陳述者が審査官に単に反対することではなく、そうした事実に依存する。
最後に、デザイン変更後に売上が増加した製品を考える。売上記録が増加を立証し、顧客調査が顧客の好んだ外観を特定する。応答では、同時期の価格変更にも対応し、好まれた特徴が意匠のクレームされた部分に含まれることを確認する。このような証拠は、外観が需要を生んだという発明者の裏付けのない考えよりも、関連性を評価するための十分な基盤を提供する。これらの仮想的な提出例はいずれも特許査定を保証するものではない。それぞれ、解決すべき争点を中心に証拠を構築する方法を示している。
必要となる前に記録を整える
規則132陳述書は、装飾性、通常の技能を有するデザイナーの視点、又は製品が商業的に受け入れられた理由を扱う場合に、意匠出願の審査における事実的基盤を充実させることができる。その準備は、争われている命題と、それを説明する能力を有する者を特定することから始まる。裏付けとなる記録は、その命題を念頭に置いて収集する必要がある。
発明者及び制作を依頼する企業にとって、デザイン指示書、改訂履歴、美的選択に関する通信記録を保存しておくことは、後の応答を大きく改善し得る。代理人にとって中心となる作業は、それらの証拠をクレームされた意匠に結び付け、正しい手続を選び、検討を受けられる時期に記録を提出することである。争点に焦点を絞り、事情に応じて裏付けを付し、的確な意見書によって説明された陳述書は、審査官が拒絶理由を再評価するための具体的な根拠となる。





