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Divergent Patent Lawブログ

米国特許出願・権利化、PTAB実務、米国連邦巡回区控訴裁判所の動向、および国境を越えた特許戦略に関する解説。

一つのクレーム、いくつもの経路米国、欧州、中国、韓国及び日本における多数項従属クレーム

  • 執筆者の写真: Brandon Theiss
    Brandon Theiss
  • 2 日前
  • 読了時間: 21分


要旨。多数項従属クレームは、複数のクレームの組合せを一つの番号付き請求項に集約できる。この集約による効率性は、請求項番号ごとに手数料を課す庁では魅力的であるが、米国ではその利点が小さい。米国では、手数料算定上、当該請求項を択一的な各引用先に展開して数え、さらに別途の追加手数料が課されるからである。最も重大な相違は、入れ子状の従属関係にある。PCT規則6.4並びに米国、中国、韓国及び日本の規則は、多数項従属クレームを別の多数項従属クレームの基礎とすることを禁止する。これに対し、EPO実務にはこれに相当する一律の禁止はなく、主として明確性の観点からその構造を規律する。実務上の教訓は、多数項従属が単なるドラフティング上の近道ではないという点にある。それは、手数料、審査、補正及び国内段階への移行適合性を考慮して設計すべき請求項構造である。


1. ポートフォリオ全体を左右する小さなドラフティング上の選択

 

従属クレームは、しばしば特許出願を目立たずに支える基盤として扱われる。より限定されたフォールバック・ポジションを確保し、商業的実施形態をクレーム構造に対応付け、審査官に特許査定へ至る道筋を与える。多数項従属クレームは、同じ機能をよりコンパクトに果たす。一つの番号付き請求項により、同一の追加限定を二以上の先行請求項のそれぞれに適用できる。


したがって、従属関係は請求項構造の一形態である。どの限定事項が一体として承継されるか、どの組合せが個別のフォールバック・ポジションとして明示された状態で残るか、また、異なる形式要件を適用する庁に応じてクレーム一式をどの程度容易に再編成できるかを左右する。形式上の請求項数が少なくても、法的に区別される多数の従属経路を含み得る。反対に、単項従属クレームをより長く列挙した方が、意図した各組合せが明示されるため、権利化手続、点検及び補正が容易な場合がある。


しかし、この集約性は、どの法域にも同じように持ち運べるわけではない。通常の択一的な多数項従属クレームは、米国では手数料を発生させ、EPOでは明確性審査の対象となり得る。累積的な複数引用は米国、中国及び韓国で不適式であり、入れ子状の択一的従属関係もこれらの庁で禁止される。また、適用対象となる出願については、日本でも拒絶理由となり得る。この相違が最も重要となるのはPCT出願である。PCT規則6.4に反する従属関係ツリーは国際調査を妨げ、新規事項を追加することなく後に再構成する必要を生じさせる可能性がある。


したがって、問題は、ある庁が多数項従属クレームを許容するか否かだけではない。代理人は、さらに次の4点を問わなければならない。引用は択一的でなければならないか。多数項従属クレームは別の多数項従属クレームを引用できるか。手数料算定上、各選択肢はどのように数えられるか。そして、庁は不適式な構造をどのように審査し、又は拒絶するか。


本稿は、多数項従属の形式、入れ子状の従属関係及び手数料について実質的に異なるアプローチを示すことから、PCTルートの主要な5つの移行先を比較する。検討対象は、ドラフティング、国際段階及び国内段階における補正、権利化手続並びに手数料の取扱いであり、クレーム解釈、有効性、侵害その他の権利付与後の論点は扱わない。法的根拠及び手数料情報は2026年8月現在であり、可能な場合には英語版の公的資料を用いている。


検討対象の5庁のうち、手続上最も移行適合性の高いクレーム・ツリーが、必ずしも経済的に最適とは限らない。したがって、代理人はPCT規則6.4を移行適合性の共通基準とし、開示内容及び従属関係マップに重要な組合せを確保し、各国の手数料及び審査規則に照らして合理性がある場合に、クレーム構造を選択的にローカライズすべきである。


2. 定義及びPCT上の基準

 

(訳注:本稿では比較上の総称として「単項従属クレーム」及び「多数項従属クレーム」を用いる。JPOの用語では、それぞれ「単項引用形式請求項」及び「多数項引用形式請求項(マルチクレーム)」に当たる。)単項従属クレームは、一つの先行請求項を引用する。通常の多数項従属クレームは、二以上の先行請求項を引用し、付加された限定を各引用先請求項に個別に適用する。マルチマルチクレームとは、直接に又は介在する従属関係を通じて、別の多数項従属クレームを引用する多数項従属クレームをいう。


【請求項1】構成要素Aを備える装置。【請求項2】構成要素Bをさらに備える、請求項1に記載の装置。【請求項3】構成要素Cをさらに備える、請求項1に記載の装置。【請求項4】構成要素Dをさらに備える、請求項2又は3のいずれか一項に記載の装置。【請求項5】構成要素Eをさらに備える、請求項4に記載の装置。【請求項6】構成要素Fをさらに備える、請求項3又は5のいずれか一項に記載の装置。


請求項4は通常の多数項従属クレームであり、4/2及び4/3という従属経路を形成する。請求項5は、請求項4のみに従属する単項従属クレームであり、両経路をその先に引き継ぐ。請求項6は、その請求項5の枝が最終的に別の多数項従属クレームである請求項4に従属するため、マルチマルチクレームである。単に二以上の引用先が存在するか否かではなく、この直接・間接の区別こそが、複数の法域において形式適否を分ける分水嶺である。


PCTは、有用な共通基準を示している。規則6.4(a)は、複数の請求項の引用を択一的に行うことを要求し、多数項従属クレームを別の多数項従属クレームの基礎とすることを禁止する。規則6.4(b)は、引用先請求項の限定事項がどのように取り込まれるかを説明し、規則6.4(c)は、先行請求項を引用する請求項のグループ化を扱う。国際調査機関の国内法が当該ドラフティング形式を認めず、かつ有意義な国際調査の実施が妨げられる場合には、不遵守が国際調査に影響し得る。実際に採用された形式が指定国の国内法に適合する場合、その不遵守は当該指定国では影響を及ぼさない。 PCT規則6.4PCT第17条(2)(a)(ii), (b)PCT国際調査・予備審査ガイドライン9.41項(2026年1月1日施行)。


形式上の請求項と実質的な組合せ

 

番号単位の請求項と、各従属経路によって形成される実質的なクレームの組合せとの区別は不可欠である。請求項4は形式上は一つの請求項であるが、4/2及び4/3という経路を表し、請求項5は請求項4を介して両経路を引き継ぐ。請求項6は別の枝を追加するが、マルチマルチ形式を禁止する法域では、その請求項5の枝が請求項4に到達するため不適式となる。各庁は、これらの経路を異なる方法で数え、審査することがあり得る。しかし、先行技術分析、補正及びクレーム・ステータス管理のため、各経路を追跡しなければならない。


この点は、多数項従属形式が経済的であり得ても単純ではない理由を説明する。見かけ上の請求項数を減らす一方で、代理人及び審査官が追跡すべき組合せの数を増やし得る。したがって、有用なドラフティング記録には、形式上の請求項番号と、その番号が表すすべての直接及び間接の従属経路の双方を記録する。


3. 形式要件及び手数料の比較概観

通常の多数項従属形式

マルチマルチ

手数料上の取扱い

米国

可。択一的引用に限り、先行請求項のみ

禁止

多数項従属クレームの追加手数料。手数料算定上、各選択肢を請求項として算入

EPO

可。明確であれば広範な引用が可能

一律の禁止なし

番号付き請求項数の閾値。多数項従属クレームの倍率規定なし

中国

可。択一的引用に限り、先行請求項のみ

禁止

番号単位では1項。10項を超える部分に追加出願手数料

韓国

可。択一的引用に限り、先行請求項のみ

所定の間接構造を含め禁止

審査請求手数料の算定上は1項

日本

通常の多数項従属クレームは許容

2022年4月以降禁止

請求項数に基づく手数料。米国式の組合せ倍率なし



主要な形式要件の根拠法令・資料:35 U.S.C. § 112(e)EPC規則43(4)中国専利法実施細則第25条韓国特許法施行令第5条(5)~(7)及びJPOマルチマルチクレーム・ガイダンス。手数料に関する根拠資料は、後掲「主要な法令・資料及びデータソース」に収録している。


4. 米国:許容されるが、経済的には魅力に乏しいことが多い

 

形式要件及び法的効果

 

米国法は、一つの請求項が複数の先行請求項を引用することを認めるが、択一的に引用する場合に限られる。多数項従属クレームを別の多数項従属クレームの基礎とすることはできない。したがって、「請求項2又は3のいずれか一項に記載の装置」は適式となり得る一方、「請求項2及び3に記載の装置」は通常不適式である。また、引用先の選択肢に別の多数項従属クレームを含む多数項従属クレームも不適式である。 35 U.S.C. § 112(e)37 C.F.R. § 1.75(c)MPEP § 608.01(n)(I)


複数の引用先は累積的に適用されない。それぞれは、該当する引用先請求項の限定事項を取り込んだものとして個別に解釈される。審査も同様に、実施形態又は組合せごとに進められ、各選択肢は、限定要求(restriction)又は実体面において異なる取扱いを受け得る。 MPEP § 608.01(n)(I)(C)


直接及び間接の従属関係

 

米国の禁止は、明白な直接引用にとどまらない。単項従属クレームは、適式な多数項従属クレームに従属できる。しかし、後続する多数項従属クレームは、その下位請求項を引用することで先行する多数項従属クレームを間接的に基礎として用いることになる場合、その下位請求項を引用できない。したがって、従属関係ツリーは、問題となる後続請求項が明示的に引用する請求項だけでなく、介在するすべての請求項をたどって検討しなければならない。 MPEP § 608.01(n)(I)


この区別は、USPTOにおける取扱いにも影響する。適式な多数項従属クレームは、各選択肢を個別の請求項として記載したものに相当するものとして審査される。不適式な多数項従属クレームは、通常、37 C.F.R. § 1.75(c)に基づくobjection(方式上の不備指摘)の対象となり、訂正されるまで実体面の審査は通常進められない。 MPEP § 608.01(n)(I)(B), form para. 7.45。出願前に問題を発見すれば、提出された形式のままではUSPTOが審査しない枝を前提に権利化戦略を構築する事態を避けられる。


手数料制度がドラフティング実務を左右する

 

米国の手数料制度は、見かけ上の請求項数削減効果の多くを相殺する。適式な多数項従属クレームは、手数料算定上、直接引用する請求項の数に相当する項数として数えられる。当該適式な多数項従属クレームを直接又は間接に引用する請求項も、同じ倍数で算入される。35 U.S.C. § 111(a)に基づく当初の非仮出願に適式な多数項従属クレームが一つでも含まれれば、37 C.F.R. § 1.16(j)の手数料が適用される。これに対し、§ 371に基づく国内段階出願には37 C.F.R. § 1.492(f)が適用される。 MPEP § 608.01(n)(I)(G)(2)(a)


実務上、複数の単項従属クレームを一つの多数項従属クレームに集約しても、請求項番号を減らせるだけで、手数料は減らない場合がある。むしろ、手数料計算及び権利化手続の管理が複雑になり得る。したがって、必要な組合せが少数で、戦略的に選別されている場合を中心に、米国の代理人が明示的な単項従属形式を合理的に選好することがある。


手数料算定の具体例

 

上記の請求項1から5を用いると、請求項1から3はそれぞれ1項として数えられる。請求項4は請求項2及び3を直接引用するため、米国の手数料算定上は2項として数えられる。請求項5も、請求項4を引用するため2項として数えられる。したがって、形式上は5項の請求項が7項として数えられ、別途の多数項従属クレーム手数料も適用される。請求項6は不適式な多数項従属クレームであり、実体面の取扱いを受ける前に訂正しなければならないため、この計算から除外する。 MPEP § 608.01(n)(I)(G)(2)(c)(i), Claims 4 and 5


明示的な単項従属形式との比較は、純粋に数学的な問題ではない。請求項を分ければ、意図した組合せが直ちに明らかになり、クレーム・ステータス表が簡素化され、他の経路を書き換えることなく一つの経路だけを削除又は補正できる。多数項従属形式が最も有用となるのは、こうした管理上のコストを上回る実質的なドラフティング上又はポートフォリオ上の利点がある場合である。


限定的な米国の行政データ

 

USPTOの書類作成負担に関する推計は、手数料の対象となる適式な多数項従属クレームが現在の米国実務では一般的でないことと整合する。2024年のペーパーワーク削減法に基づく告示で、USPTOは、多数項従属クレーム手数料に係る年間手続件数を1,270件と予測した。同じ告示は、当該手数料項目に関連する実用特許及び植物特許の出願カテゴリー(項目1、2、4~6及び9)について、出願に係る年間手続件数を366,005件と予測しており、これに基づく著者計算の比率は約0.35%となる。 行政機関情報収集活動;OMBへの審査・承認申請;意見募集;当初特許出願,89 Fed. Reg. 1,557, 1,560–61 (Jan. 10, 2024)。2025年の告示は、国内段階の多数項従属クレーム手数料に係る手続件数を1,016件、国内段階の基本手数料に係る手続件数を108,371件と予測しており、これに基づく著者計算の比率は約0.94%となる。 行政機関情報収集活動;OMBへの審査・承認申請;意見募集;特許協力条約,90 Fed. Reg. 26,555, 26,558 (June 23, 2025)


これらは、予測された手数料に係る行政上の手続件数の比率であり、実測された出現率でも、対応付けられた出願コホートでもない。さらに、適式な多数項従属クレームが少なくとも一つ含まれる場合には別途の手数料が適用される一方、不適式な多数項従属クレームのみを含む出願には、その手数料は適用されない。 MPEP § 607MPEP § 608.01(n)(I)(G)(2)(b)。したがって、これらの推計が裏付けるのは、手数料の対象となる適式な多数項従属クレームが一般的でないという、より限定された推論にすぎない。多数項従属形式を用いるあらゆるドラフティングの頻度を測るものでも、庁間の使用頻度比較を可能にするものでもない。


5. EPO:明確性により制約される広範な構造上の柔軟性

 

形式

 

EPC規則43(4)は、他の請求項を引用して特定される請求項を従属請求項として定義しており、審査ガイドラインは、従属請求項が、一つ若しくは複数の独立請求項、一つ若しくは複数の従属請求項、又はその双方を引用することを明示的に認めている。 EPC規則43(4)EPO審査ガイドライン F-IV 3.4(2026年4月)。


PCT規則及び米国、中国、韓国、日本のルールとは異なり、EPCの枠組みは、多数項従属クレームが別の多数項従属クレームを引用することを一律に禁止しておらず、引用を択一的なものに限ることも要求していない。請求項カテゴリーをまたぐ引用や入れ子状の従属関係は、それだけを理由として不備とはされないが、明確性、簡潔性、サポート要件、単一性、請求項カテゴリーその他のEPC上の要件は、なお満たさなければならない。 EPO審査ガイドライン F-IV 3.4, 3.8(2026年4月)。


もっとも、この柔軟性は、判読困難な従属関係の網を構築してよいことを意味しない。形式上は可能でも、審査官が特定の分岐にどの限定が含まれるかを判断できない場合、又はその構造により請求項カテゴリー、先行記載との対応若しくは補正の選択肢に不確実性が生じる場合には、戦略的に不適切である。


明確性と補正の規律

 

EPOで中心となるのは、従属関係ツリーが所定のパターンに合致するかではなく、読み手が各分岐の対象となる主題を特定できるかである。EPC第84条は、請求項が明確かつ簡潔であり、明細書によって裏付けられていることを要求する。したがって、請求項カテゴリーを混在させ、相互に両立しない選択肢を生じさせ、又は取り込まれる構成要件を不明確にするマルチマルチ構造は、カテゴリーをまたぐ従属関係又は入れ子状の従属関係それ自体が不備でなくても、指摘を受け得る。


補正の根拠は、これとは別の問題である。複雑な従属関係ツリーをフラット化する際には、従前は複数の引用関係を通じてのみ示されていた組合せを明示的に記載しなければならないことがある。その後の補正がEPC第123条(2)に適合するよう、重要な組合せを出願当初の開示から直接かつ一義的に導き出せるようにしておくべきである。 EPO審査ガイドライン H-IV 2.2(2026年4月)。手数料効率の高いドラフティングであっても、確実な補正根拠を犠牲にすべきではない。


手数料

 

EPOのクレーム手数料は、番号が付された請求項を単位として算定され、15項を超える各請求項には手数料が、50項を超える各請求項にはより高額の手数料が課される。手数料表には択一的な従属経路を展開して数える乗数がないため、通常の多数項従属クレームは、これらの閾値を判定する上で請求項1項として扱われる。 EPO審査ガイドライン A-III 9(2026年4月)。したがって、EPOの手数料計算上、多数項従属を用いてフォールバックとなる組合せを圧縮できる。


6. 中国:択一的引用と番号単位の請求項数算定

 

形式

 

第25条は、従属請求項に、引用する請求項の番号及び主題の名称を記載し、その後に追加の技術的特徴を記載することを求める。従属請求項が引用できるのは、先行する請求項に限られる。二つ以上の請求項を引用するクレームは、それらを択一的に引用しなければならず、そのような多数項従属クレームを、さらに別の多数項従属クレームの基礎とすることはできない。 中国専利法実施細則第25条(2023年12月11日改正、2024年1月20日施行)。


したがって、米国又はPCTに適合する通常の多数項従属クレームは、引用文言と主題の表示を適切に調整すれば、中国の方式実務にも適合することが多い。累積的引用又はマルチマルチ従属を含むクレーム・ツリーは、そもそもPCT規則6.4に抵触するため、通常はPCT出願前にフラット化すべきである。国際出願にその構造が残っている場合には、中国実務に適合するよう是正しなければならない。


権利範囲を失わない従属関係のフラット化

 

フラット化は、理論上想定し得るすべての組合せを個別の請求項として書き起こすことを必ずしも意味しない。まず、事業上重要な実施形態、想定される設計回避及び特許性に関して意味のあるフォールバックに対応する組合せを特定し、その後、それらの経路を適式な単項従属クレーム又は通常の多数項従属クレームによって表現することができる。この作業は中国語の請求項本文を基準に行うべきである。翻訳により、引用が択一的に読まれるか累積的に読まれるかが変わり得るためである。 中国専利法実施細則第25条


手数料と戦略

 

CNIPAが公表する手数料表では、請求項が10項を超える場合、超過する1項ごとに追加出願料が課される。同表は番号が付された請求項ごとに課金し、多数項従属クレームについて特別の乗数を定めていないため、通常の多数項従属クレームは、この閾値との関係で番号付き請求項1項として扱われる。 CNIPA特許手数料表。この仕組みにより、多数項従属は、組合せを維持しつつ番号付き請求項の総数を抑えるために有用となり得る。


7. 韓国:択一形式を許容し、マルチマルチ構造は禁止

 

形式

 

韓国特許法施行令第5条(5)~(7)は、二つ以上の請求項を引用するクレームについて、その引用を択一的に記載し、かつ先行する請求項を引用することを要求する。また、そのようなクレームが別の多数項従属クレームを引用することも禁止する。2026年2月版の審査ガイドラインは、直接及び間接の違反について詳細な例を示している。 韓国特許法施行令第5条(5)~(7)韓国知的財産処『特許審査ガイドライン』第II部第2章§§6.5–6.7, 163–66頁(2026年2月)。


韓国の指針が特に有用なのは、真正な択一的従属関係と、二つの構成要素を引用して単に組合せ発明を記述するクレームとを区別している点である。名称よりも、クレームが法的にどのように機能するかが重要である。審査官は、その引用が択一的な従属実施態様を生じさせるか、また最終的に別の多数項従属関係に依拠するかを判断する。


間接従属の落とし穴

 

韓国での確認では、引用を行う多数項従属クレームの従属関係を上位までたどらなければならない。表面上は通常の上位クレームだけを引用しているように見えても、介在する従属クレームを通じて禁止された構造を再現している場合がある。各多数項従属クレームについて、すべての引用経路を独立クレームまで展開し、別の多数項従属クレームを含む経路にフラグを付すべきである。公式の例は、このグラフベースの確認に有用なテンプレートを提供する。 韓国特許審査ガイドライン II-2 §§6.5–6.7


手数料上の取扱い

 

韓国の出願料は、請求項ごとには算定されない。ただし、現行手数料表では、審査請求料、登録料及び年金に、請求項数に応じた部分が含まれる。審査請求料の算定について、ガイドラインは、独立・従属の別を問わず番号が付された請求項ごとに数え、二つ以上の請求項に従属するクレームであっても1項と数えるとしている。米国式の組合せ数に応じた乗数はない。 韓国特許審査ガイドライン87–88頁KIPO手数料表


8. 日本:マルチマルチ禁止後も通常の多数項従属を許容

 

2022年4月の制度変更

 

出願日が2022年4月1日以後の特許出願及び実用新案登録出願について、日本はマルチマルチクレームを禁止する一方、通常の多数項従属クレームを引き続き認めている。PCT国内段階出願では、基準日となるのは国際出願日である。この制限は、請求項カテゴリーをまたぐ従属関係を含め、直接又は間接に別の多数項従属クレームに従属するクレームに及ぶ。 JPO「マルチマルチクレームの制限について」JPO「特許・実用新案の審査基準及び審査ハンドブックの改訂」(2022年4月)。


この手続上の帰結を踏まえると、早期の是正が重要である。特許審査において、JPOは通常、問題のあるマルチマルチクレーム及びそれに従属するクレームについて、省令要件違反以外の実体的要件を審査せずに拒絶理由を通知する。出願人が後に従属関係を是正した結果、別の実体的拒絶理由が生じた場合、その後の通知は「最後の拒絶理由通知」となり得るため、補正の自由度が狭まる。実用新案実務では、基礎的要件違反が解消されないと、出願が却下され得る。


したがって、PCT国内段階のクレームセットは、日本への国内移行前にスクリーニングし、実体審査前に是正すべきである。補正時期は日本代理人と協議して選択する。この方法により、回避可能な手続上の圧力の下で応答するのではなく、維持すべき経路を主体的に選択できる。


国内移行時の補正計画

 

日本への国内移行時の補正では、問題のある引用を削除するだけで終えるべきではない。影響を受ける各経路の事業上及び特許性上の価値を整理し、追求する価値のある経路を維持するとともに、修正文言が国際出願に裏付けられていることを確認すべきである。これにより、形式適合のために有用なフォールバック・ポジションを放棄する過剰是正を避けられる。JPOガイダンスには、国内移行前のスクリーニング・チェックリストに利用できる例が含まれている。


手数料

 

日本の審査請求料及び登録後の料金表は、請求項数を基準とし、米国制度のような多数項従属クレーム固有の追加手数料や従属関係の乗数はない。 JPO手数料表。したがって、入れ子状のマルチマルチ構造が禁止されていても、通常の多数項従属クレームによって番号付き請求項数を減らすことができる。


9. 総合考察とクロスボーダー・ドラフティング手順

 

多数項従属は、形式上の請求項数の圧縮と構造の可視性、各国における手数料節減と後続の管理コスト、国際的な移行適合性と各国向け最適化、権利範囲の密度と補正耐性との間にトレードオフを生む。どの庁にも中立的な一つの形式で、この四つすべてを最大化することはできない。5法域すべてへの移行が想定されるポートフォリオでは、PCT規則6.4が各国移行における妥当な共通基準となる。すなわち、複数の請求項は択一的に引用し、多数項従属クレームを別の多数項従属クレームの基礎としない。その上で、各国代理人は、その国の手数料ルール及び審査実務上合理性がある場合、通常の多数項従属形式を維持できる。


圧縮は、その管理上の節減が、各国でのレビュー、翻訳、手数料試算、後のフラット化及びクレーム・ステータス管理のコストを上回る場合に限り用いるべきである。重要な組合せ及び中間的一般化については、禁止された分岐又は不明確な分岐を新規事項の追加なく書き換えられるよう、出願当初の開示に十分な根拠を残すべきである。


従属関係マトリクスの作成

 

国際出願前に、番号付き請求項ごとに1行を設け、請求項カテゴリー、追加限定、直接の上位クレーム、展開後の従属経路、事業上又は特許性上の目的及び国内段階で予定する取扱いを欄とするマトリクスを作成する。


このマトリクスにより、形式上の請求項と実体的な組合せを区別し、上位クレームの特許査定、拒絶、削除又は補正後にどの経路が残るかを把握できる。これを継続的に更新する審査経過記録として扱い、請求項番号又は上位クレームを変更するたびに経路を再計算する。


国内段階でのワークフロー

 

1. 棚卸しと追跡。通常の多数項従属クレームをすべて抽出する。各多数項従属クレームについて、すべての直接・間接の上位クレーム経路を追跡し、別の多数項従属クレームを含む経路にフラグを付す。請求項カテゴリーの変更又は両立しない限定を記録する。


2. 分類。各経路を事業上の関連性と特許性上の価値に基づいて順位付けし、可能性の低い組合せを削除する前に、重要な組合せを維持する。


3. 各国向け調整。移行先官庁の方式ルールを適用し、可能な限り国際出願前にPCT規則6.4と抵触する構造を是正し、残る各国固有の不備が国際調査又は審査を阻害する前に対処する。


4. コスト試算。請求項数に応じた手数料、多数項従属クレーム固有の手数料、翻訳・レビュー費用及び権利化手続上のクレーム管理負担を比較する。


5. 検証と再実行。出願当初の開示によるサポートを確認し、その後、補正又は請求項番号の変更のたびに従属関係グラフを再計算する。


10. 結論

 

多数項従属クレームは、グローバルな特許ドラフティングに関する、より一般的な事実を浮き彫りにする。すなわち、同じ文言でも、特許庁が異なれば手続上及び経済上の帰結が異なり得る。米国は通常の多数項従属を認めるが、その選択肢を手数料計算上それぞれ数える。EPOは、検討した官庁の中で最も広い構造的柔軟性を認めるが、明確性その他のEPC要件に服する。中国と韓国は、択一的な多数項従属を認める一方で入れ子形式を禁止し、請求項数に応じた手数料部分は番号付き請求項を基準とする。日本は通常の多数項従属を維持するが、出願日が2022年4月1日以後の出願についてマルチマルチ構造を禁止する。


USPTOの予測値は、手数料発生対象となる適式な多数項従属クレームが現在の米国実務で一般的でないとの結論と整合するが、その結論を独立して立証するものではない。これらは、実測された出現率又は対応付けられた出願群ではなく、手数料に係る行政上の手続件数の予測値であり、特許庁間の利用頻度比較を裏付けるものでもない。


実務的な解は、統制の取れた各国向け調整である。PCT規則6.4を各国移行における共通基準とし、重要な組合せについて十分なサポートと従属関係マップを維持し、各国の形式、手数料及び審査ルールが変更を正当化する場合に限ってクレーム・ツリーを調整する。


 

 
 
著者について

Brandon R. Theiss

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画像サイズ変更プロジェクト - 2026年7月22日

Brandon R. Theissは、AddyHartのDivergent IP部門に所属する、テクノロジー分野を中心に扱う米国登録特許弁護士です。ソフトウェア、クラウドコンピューティング、データ分析、医療機器、自動化システム、自動車システムなどの技術について、米国特許出願・権利化、特許付与後手続、特許適格性、特許戦略に関する助言を提供しています。Villanova University Charles Widger School of Lawの非常勤教授を務めるほか、FDA and Intellectual Property Strategies for Medical Device Technologiesの共著者でもあります。

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