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Divergent Patent Lawブログ

米国特許出願・権利化、PTAB実務、米国連邦巡回区控訴裁判所の動向、および国境を越えた特許戦略に関する解説。

米国および欧州の一部裁判管轄における均等論

執筆者の写真: Brandon Theiss
Brandon Theiss
9月21日
読了時間: 28分

要旨:米国、英国、ドイツおよび統一特許裁判所における特許保護は、請求項の通常の意味を超えて及ぶことがあるが、その判断基準と限界は裁判管轄ごとに異なる。本稿は、被疑侵害の変形態様が技術的に均等であるか、特許権者による明細書・請求項の作成や出願手続上の選択によって当該範囲の保護が法的に認められなくなるか、保護範囲の拡張が公示機能を損ない、または先行技術を取り込むことになるか、という三つの問いに沿って比較する。米国法は、構成要件ごとの立証と、出願経過禁反言、開示・公衆提供および先行技術の取り込み禁止という独立した法理によって、これらの問題に対応する。本稿で検討する欧州の裁判管轄は、請求項の解釈、文言への厳格な適合、請求項に即した等価性、ならびに統一特許裁判所で形成されつつある公正な保護と法的安定性の審査を通じて、同種の問題を扱う。ペメトレキセドに関する一連の判決は、同様の技術的置換であっても、請求項、出願経過および手続段階に応じて異なる法的分析が必要となることを示している。明細書・請求項の作成、出願手続および実施自由性の検討における中心的な教訓は、技術的な互換性だけでは保護範囲は決まらないということである。法律実務家は、争点となる置換を、当該特許の記録および適用される裁判管轄の法規範に結び付けて検討しなければならない。

はじめに

競合他社が医薬品製剤に使用する塩を変更し、一体型のカバーを二部品からなる組立体に置き換え、あるいは請求項に記載された数値範囲をわずかに外れた条件で実施するとする。いずれの変更も、特許請求項の通常の意味から外れる可能性がある。しかし、それによって侵害を回避できるかを判断するには、均等についてさらに検討する必要があり、その結論は、異なる法域の対応特許について一致するとは限らない。

米国法および本稿で検討する欧州の裁判管轄は、実効的な保護を与えるために、請求項の通常の意味から外れる実施態様にまで保護が及ぶ場合があることを認めている。同時に、出願人が実際に請求した内容を公衆が信頼できることも保護する。難しい事案は、これらの利益が交錯する場面で生じる。すなわち、代替構成が同じ技術的役割を果たす一方で、出願人がより狭い文言を選択し、関連する請求項を放棄し、またはその代替構成を開示しながら請求しなかった場合である。近年の米国判決は、裁判所が技術的な均等性を判断する前に、出願経過や開示内容によって紛争の結論が左右され得ることを示している。欧州の判決も、異なる法理の構造を通じて、同じような問題の多くを検討している。

本稿の比較対象は、米国、英国、ドイツおよび統一特許裁判所(UPC)である。英国とドイツには、それぞれ国内裁判所において確立された判断枠組みがある一方、UPCは、その管轄に属する特許について別個の裁判の場を提供する。どの裁判管轄が問題となるかを特定することが、不可欠な第一歩である。欧州特許に、あらゆる裁判所で一律に適用される単一の均等判断基準が付随しているわけではない。本稿では「均等」を比較のための概念として用いるが、これらの裁判所が国境を超えて単一の法理を適用しているという趣旨ではない。「変形態様」とは、請求項の通常の意味から外れる被疑侵害の構成をいう。

本稿で検討する各裁判管轄において、均等をめぐる紛争は、混同すべきでない三つの検討に帰着する。第一に、争点となる請求項の構成要件のレベルで、被疑侵害の変形態様が技術的に均等であるか。第二に、特許権者による明細書・請求項の作成、開示または出願手続上の選択によって、その範囲の保護が法的に認められなくなるか。第三に、保護範囲を広げることが、公示に対する合理的な信頼を損ない、または先行技術を取り込むことになるかである。これらの検討に付される法理の名称と、それぞれに与えられる重みは、裁判管轄によって異なる。これらを区別することで、技術的な互換性に関する説得力ある証拠が、ある紛争では侵害の認定につながる一方、別の紛争では保護を得るに足りない理由が明らかになる。

米国の判断枠組みと具体的な立証の必要性

現代の米国の均等論は、Graver Tank、Warner-JenkinsonおよびFestoを基礎とする。Graver Tankにおいて、米国連邦最高裁判所は、実質的でない置換であれば、請求項の文言から外れていても侵害となり得ることを認めた。均等性は、特許、先行技術および個別の事情に依存し、その事情には、請求された構成と置換後の構成との互換性を当業者が理解していたかも含まれる。Graver Tank & Mfg. Co. v. Linde Air Prods. Co., 339 U.S. 605, 608–09 (1950).

Warner-Jenkinsonは、均等の検討を個々の請求項の構成要件のレベルで行うことを明確にした。製品全体の類似性だけでは足りない。全構成要件充足の原則(all-elements rule)により、各構成要件は文言上または均等物によって充足されなければならず、均等論によってある構成要件を実質的に消し去ることはできない。機能・方法・結果の比較が一つの判断枠組みとなり、相違が実質的でないかという検討がもう一つの枠組みとなる。どの定式化が適切かは、技術と事実関係に依存する。均等性は侵害時を基準に判断されるため、後に開発された代替構成が検討対象となることもある。Warner-Jenkinson Co. v. Hilton Davis Chem. Co., 520 U.S. 17, 29, 37, 39–40 (1997).

これらの原則により、均等論は、被疑侵害製品が特許の一般的な着想を取り入れているという主張とは区別される。例えば、センサーシステムと被疑侵害製品がいずれも危険な姿勢を検知するとしても、その測定値の取得方法や処理方法は実質的に異なり得る。説得力ある均等の主張には、具体的な置換を特定し、その技術的相違が当該請求項との関係でなぜ実質的でないのかを説明することが必要である。

米国特許法第112条(f)は、文言侵害の判断に、独自の法定の均等性審査を組み込んでいる。被疑侵害の構造は、請求された機能と同一の機能を果たし、かつ、明細書に開示された対応する構造と同一または均等でなければならない。一般的な均等論は、請求項の解釈後に行われる、これとは別個の非文言侵害の審査である。35 U.S.C. § 112(f); Warner-Jenkinson, 520 U.S. at 27–28; Odetics, Inc. v. Storage Tech. Corp., 185 F.3d 1259, 1266–67 (Fed. Cir. 1999).

近年の米国連邦巡回控訴裁判所の判決は、この立証要件を厳格に適用している。2023年のVLSI判決では、特許権者の証拠が、請求された構成と被疑侵害の構成との対応関係を十分に示していなかったため、均等論に基づく侵害認定が覆された。必要とされる具体的な証言と、両者を結び付ける論証を、一般的な類似性の主張で代替することはできない。VLSI Tech. LLC v. Intel Corp., 87 F.4th 1332, 1342–45 (Fed. Cir. 2023).

NexStepは、この点をさらに明確にした。単一の操作を求める構成要件に対応する被疑侵害の均等物について、証拠がその特定と説明を十分に行っていなかった事案で、裁判所は、均等侵害を認めた陪審評決を覆す法律問題としての判決(judgment as a matter of law)を維持した。NexStep, Inc. v. Comcast Cable Commc’ns, LLC, 119 F.4th 1355, 1370–71, 1373 (Fed. Cir. 2024). 多数意見は、技術が理解しやすいというだけで立証要件を一律に緩和することを否定した。証拠は、機能・方法・結果という定式を繰り返すだけでなく、実際の比較を示さなければならない。NexStep, No. 2022-1815, slip op. at 35–38.

逆の点も重要である。裁判所は、請求された構成と被疑侵害の構成を単に正反対と位置付けるだけで、均等性を否定することはできない。Edgewellにおいて、連邦巡回控訴裁判所は、単一部品からなる構造と複数部品からなる構造を二者択一的に扱うことを否定した。問題は、関連する技術的相違が実質的でないと合理的な陪審が認定し得る証拠があるかであった。構成要件の無意味化(vitiation)とは、特定の均等の主張が法的に不十分であることを表すものであり、文言上の相違があれば常に自動的な抗弁となるという意味ではない。Edgewell Pers. Care Brands, LLC v. Munchkin, Inc., 998 F.3d 917, 923–25 (Fed. Cir. 2021).

したがって、請求項の解釈は均等の分析に先立って行われなければならない。別件の2026年のVLSI控訴審では、連邦巡回控訴裁判所は、一定の装置クレームについて均等の主張を退けた略式判決を覆した。地方裁判所は、出願手続中の陳述が当該請求項にその制限を明確かつ疑いなく課していないにもかかわらず、出願手続における権利範囲の放棄(prosecution disclaimer)を通じて、動作順序の制限を読み込んでいた。この判決は、その均等の主張をその後の手続で審理できるようにしたものであり、侵害を認定したものではない。また、請求項の意味を明らかにする出願手続上の権利範囲の放棄と、他の点では成立し得る均等の主張を遮断し得る出願経過禁反言とを区別する必要性も示している。VLSI Tech. LLC v. Intel Corp., No. 2024-1772, slip op. at 9–12 (Fed. Cir. Apr. 14, 2026).

出願経過と開示および先行技術による米国の均等論への制約

技術的な均等性によって、特許取得に伴うあらゆる法的効果を克服できるわけではない。Festoによれば、特許性に関連する理由による減縮補正は、補正前と補正後の構成要件の間にある範囲を放棄したものと推定される。特許権者は、特定の均等物について、予見不可能性、補正理由との関係が周辺的なものにとどまること、または当該代替構成を合理的に記載できなかったその他の理由を立証することで、この推定を覆し得る。Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 535 U.S. 722, 736–41 (2002). 補正理由との関係が周辺的であること(tangentiality)を認めるには、補正の客観的な理由を出願経過の記録から読み取ることができなければならない。Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 344 F.3d 1359, 1369–70 (Fed. Cir. 2003) (en banc).

2026年のActelion判決は、減縮補正によって主張された均等物の保護が認められなくなった例である。審査官が、より高いpHの下限値で得られる予期せぬ効果と特許性を結び付けた後、出願人はバルク溶液のpHに関する限定を「12超」から「13以上」へと減縮した。裁判所は、より低いpHの均等物との関係では補正は周辺的な意味しか持たないという主張を退けた。化学的性能が類似するという主張によって、減縮の客観的な理由が変わるわけではない。Actelion Pharms. Ltd. v. Mylan Pharms. Inc., No. 2024-1641, slip op. at 15–17 (Fed. Cir. May 13, 2026). 法律実務家は、代替構成によって、特許性の判断で排除された対象を再び取り込むことになるかを検討すべきである。

禁反言は、権利行使の対象となる請求項自体が補正されていない場合にも生じ得る。Amgen v. Coherusでは、出願手続中の主張によって、請求されていない塩の組合せが明確かつ疑いなく放棄されていた。したがって、先行技術との差異を述べた陳述には、請求項の補正箇所と同じように注意を払う必要がある。Amgen Inc. v. Coherus BioSciences Inc., 931 F.3d 1154, 1159–61 (Fed. Cir. 2019).

Colibriは、削除された請求項と維持された請求項が密接に関連し、特許権者自身の均等の主張によって両者の実質的なつながりが示される場合、別の請求項の削除によって禁反言が生じ得ることを示している。出願人は、記述要件(written-description requirement)に基づく拒絶を受けた後、引き戻す動作に関する請求項を削除し、押し出す動作に関する請求項を維持した。これらの請求項と主張された均等物との関係を踏まえ、連邦巡回控訴裁判所は、その均等の主張は禁反言により遮断されると判断した。したがって、権利行使の対象となる請求項が変更されていないからといって、補正に基づく禁反言を必ず免れるわけではない。Colibri Heart Valve LLC v. Medtronic CoreValve, LLC, 143 F.4th 1367, 1379, 1381 (Fed. Cir. 2025).

開示は、これとは別の独立した制約を生じさせる。開示・公衆提供の法理(disclosure-dedication)によれば、特許中で十分に特定されながら請求されなかった代替構成について、出願人は均等論によって保護を取り戻すことができない場合がある。Johnson & Johnston Assocs. Inc. v. R.E. Serv. Co., 285 F.3d 1046, 1054 (Fed. Cir. 2002) (en banc). Eagle Pharmaceuticalsは、請求されたプロピレングリコールの代替物として明細書にエタノールが開示されていた事案に、この原則を適用した。その代替物は、他のあらゆる点で請求された実施形態と同一の実施形態に記載されている必要はなかった。Eagle Pharms. Inc. v. Slayback Pharma LLC, 958 F.3d 1171, 1175–77 (Fed. Cir. 2020).

Actelionは、禁反言とは独立に、開示・公衆提供の法理を適用した。明細書には、請求されていない低い値を含む、より広く、相互に重なり合うpH範囲が開示されていた。裁判所は、公衆への提供が認められるには、代替構成が相互に排他的でなければならないという考えを否定した。範囲が重なっていても、当業者が、成立した請求項の範囲外にある開示対象を特定することは妨げられない。禁反言と公衆提供は、それぞれ独立に均等の主張を排斥したため、いずれか一方の根拠だけを克服しても、その主張は救済されなかった。Actelion, No. 2024-1641, slip op. at 17–18.

最後に、均等論によって先行技術を取り込むことはできない。この先行技術の取り込み禁止(ensnarement)に関する仮想クレームの手法は、Wilson Sporting Goodsを基礎とする。Wilson Sporting Goods Co. v. David Geoffrey & Assocs., 904 F.2d 677, 683–85 (Fed. Cir. 1990). Jang v. Boston Scientificは、陪審が均等性を認めた後でも、この独立した制約が重要であることを示している。仮想クレームによる分析では、特許権者は、被疑侵害の実施態様を包含するに足りる広さで適切に設定された請求項が、先行技術に対して特許性を有することを立証しなければならない。裁判所が特許権者に代わってその請求項を作成する必要はない。Jang v. Bos. Sci. Corp., 872 F.3d 1275, 1285–90 (Fed. Cir. 2017).

これらの法理は、異なる問いに答えるものである。禁反言は、出願手続中の権利範囲の放棄に関わる。開示・公衆提供は、特定可能でありながら請求されなかった代替構成に関わる。先行技術の取り込み禁止は、公衆が先行技術を実施する権利に関わる。適切な分析では、技術的類似性を最終的な判断とせず、それぞれを個別に検討する。

欧州の判断枠組みと裁判管轄の重要性

欧州特許条約(EPC)第69条は、明細書および図面を用いて解釈した請求項に基づき、保護範囲を定める。同条の解釈に関する議定書は、厳格な文言主義と、請求項を特許権者が意図した内容を知るための単なる指針とみなす立場の双方を排している。議定書第2条は、均等な要素を考慮することを明文で求めている。Convention on the Grant of European Patents art. 69, Oct. 5, 1973, 1065 U.N.T.S. 199, as revised Nov. 29, 2000 [hereinafter EPC]. Protocol on the Interpretation of Article 69 EPC arts. 1–2, Oct. 5, 1973, as revised Nov. 29, 2000.

この共通の基盤から、詳細かつ統一的な侵害判断の定式が導かれるわけではない。欧州特許庁(EPO)の審査および異議申立てに関する機能は、侵害の裁判とは区別しなければならない。EPC第64条(3)は、侵害の判断を各国法に委ねている一方、統一特許裁判所協定は、その管轄に属する特許について、裁判所の権限と適用法の法源を定めている。同協定は、移行期間中、一定の国内裁判所を利用する選択肢も維持している。EPC art. 64(3). Agreement on a Unified Patent Court arts. 3, 24, 32, 83, Feb. 19, 2013, 2013 O.J. (C 175) 1.

したがって、多国間の特許ファミリーについては、均等判断の基準を適用する前に、具体的な特許、成立した請求項、対象地域および裁判所を特定する必要がある。ある国の手続で認められた主張は、他国でも参考になり得るが、その意味は、他の裁判管轄の判断枠組みと、そこで提出される記録によって決まる。共通する用語によって、当業者が何を知っていると仮定されるか、また出願人の選択に裁判所がどの程度の重みを与えるかという相違が見えにくくなることがある。

Actavis判決後の英国の判断枠組み

Actavis v. Eli Lillyは、通常の解釈による侵害と、相違が実質的でない変形態様による侵害を区別した。その三つの問いは、実質的に同じ方法で実質的に同じ結果を達成するか、必要な知識を与えられた当業者にとって、その変形態様が実質的に同じ方法で当該結果を達成することが自明か、そして文言への厳格な適合が不可欠であったか、というものである。答えは、順に「はい」「はい」「いいえ」でなければならない。Actavis UK Ltd. v. Eli Lilly & Co., [2017] UKSC 48, [54]–[56], [66] (appeal taken from Eng.).

Icescapeは、この判断枠組みを折り畳み式のスケートリンクシステムに適用した。並列接続は、請求された直列接続と均等に機能し、別の請求項の削除も、その保護範囲を一義的に放棄するものではなかった。それでも、優先権が認められなくなった結果、優先日と出願日の間に行われたIce-World自身の先使用が先行技術となり、特許は無効のままであった。Icescape Ltd. v. Ice-World International BV, [2018] EWCA Civ 2219, [3]–[4], [43]–[44], [70]–[80], [90] (Eng.).

Colibriとの比較は、両裁判所が同一の事実について異なる判断をしたことを意味するものではないが、示唆に富む。いずれの事件でも、削除された請求項に注意を払う必要があった。その扱いは、それぞれ異なる出願経過と法規範に依存していた。したがって、ある法域の評価を別の法域に当てはめる前に、実務家は請求項削除の実質的な内容を調べるべきである。

出願経過の役割は限定的である。Icescapeは、Actavisが確立した例外的な参照の考え方を適用した。出願記録は、現実の不明確さを一義的に解消できる場合、またはそれを無視することが公益に反すると示せる場合に参照され得る。出願手続中のやり取りを常に参照することは適切でない。Icescape, [2018] EWCA Civ 2219, [77]–[80].

ドイツにおける代替構成と請求項との関係

ドイツの均等分析では、変更された手段が関係する同一の効果を生むか、当業者が専門知識を用いてその手段を見いだせるか、そして代替構成を均等と評価する推論が、請求項の技術的教示に十分に即しているかが問われる。第三の要件は、技術的な目的が共通するということだけに依拠した分析を制約する。数値限定がある場合に均等が一律に排除されるわけではないが、分析に際しては、明示された境界の技術的意義を維持しなければならない。全体として均等な性能があるというだけでは、その問いには答えられない。Bundesgerichtshof [BGH] [Federal Court of Justice], Mar. 12, 2002, X ZR 168/00, 150 Entscheidungen des Bundesgerichtshofes in Zivilsachen [BGHZ] 149, 154–59 (Ger.) (Schneidmesser I) (German-language decision reproduced in WIPO Lex).

ドイツのFormsteinの抗弁は、さらに別の制約を設ける。均等による保護は、先行技術に照らして特許性を欠く被疑侵害の実施態様にまで及ぶことはできない。この抗弁は、手続上の位置付けこそ異なるものの、米国の先行技術の取り込み禁止との比較に有用である。BGH, Apr. 29, 1986, X ZR 28/85, 98 BGHZ 12 (Ger.) (Formstein) (German-language headnote reproduced in WIPO Lex).

置換を評価する法律実務家にとって、ドイツの判断枠組みは、当業者が請求項の技術的教示からどのようにその代替構成に到達するかに注意を向けるものである。置換後の構成が同じ大まかな機能を果たすという技術的証拠だけでは、分析のその部分に答えられないことがある。したがって、明細書は、互換可能な部品を単に列挙するのではなく、実施形態間の関連する関係を説明すべきである。

共通の発明を軸とするペメトレキセド訴訟の米欧比較

ペメトレキセド訴訟は、技術的な均等性、出願人の選択および公示機能を具体的に比較する機会を与える。これらの紛争は、ビタミン補充と併せてペメトレキセドを投与することについての関連する特許保護を対象とした。本比較は、共通の発明と置換の問題を追うという意味で、比較対象の条件を一定程度揃えたものである。請求項の形式、被疑侵害製品、出願経過または手続上の結論が同一であったと仮定するものではない。

米国では、代表的な請求項である米国特許第7,772,209号の請求項12は、所定のビタミン補充後にペメトレキセド二ナトリウムを投与することを求めていた。HospiraとDr. Reddy'sは、ペメトレキセドジトロメタミンの使用を予定していた。Eli Lilly & Co. v. Hospira, Inc., 933 F.3d 1320, 1325, 1327 (Fed. Cir. 2019). 明細書は、より広い葉酸代謝拮抗薬の属を記載した特許に言及していたが、争点となったジトロメタミンを用いる治療を、公衆への提供と扱うに足りるほど具体的には特定していなかった。Hospira, 933 F.3d at 1334–35. 親出願における葉酸代謝拮抗薬からペメトレキセド二ナトリウムへの補正は、メトトレキサートに関する先行技術と区別するためのものであった。連邦巡回控訴裁判所は、塩の相違はその補正理由との関係で周辺的なものにとどまると判断した。Id. at 1331–34. 同裁判所は、水溶液を静脈内投与することによって同じ活性陰イオンが送達されることを根拠に、均等性を肯定した。Id. at 1335–36. 両事件の均等侵害の判断を維持する一方、Hospiraに対する文言侵害の判断は覆した。Id. at 1336.

英国とドイツの手続で問題となったのは、欧州特許第1 313 508号の請求項1であった。これは、ビタミンB12または所定の誘導体との併用による腫瘍増殖抑制療法のための医薬の製造における、ペメトレキセド二ナトリウムの使用を対象とするスイスタイプクレームであった。BGH, June 14, 2016, X ZR 29/15, 211 BGHZ 1, ¶ 1 (Ger.) (Pemetrexed I) (German-language decision reproduced in WIPO Lex). 欧州の出願手続では、開示の十分性と明確性に関する拒絶理由を受けて、葉酸代謝拮抗薬からペメトレキセドへと減縮され、その後、新規事項追加に関する拒絶理由を受けて二ナトリウムへと減縮された。この経過によって、英国で争点となった変形態様の保護が排除されることはなかった。Actavis, [2017] UKSC 48, [76]–[80], [89].

Actavisは、ペメトレキセド二酸、ジトロメタミンおよび二カリウムを対象とした。いずれもビタミンB12と併せてペメトレキセド陰イオンを送達するものであり、二ナトリウムであることは不可欠ではなかった。これらの変形態様は、請求項の通常の解釈から外れていたにもかかわらず、侵害を構成した。Actavis, [2017] UKSC 48, [8], [58], [68]–[75], [89], [113].

ドイツのPemetrexed Iは、二カリウムを扱った。明細書は、より広い葉酸代謝拮抗薬の開示の中で、二ナトリウムを具体的な実施形態として示していた。ドイツ連邦通常裁判所(BGH)は、明示的に開示された複数の選択肢から一つを選ぶことと、ある属に含まれる種を請求することを区別した。後者によって、他のすべての属の構成員が当然に開示され、かつ保護から除外されるわけではない。また、先行技術を回避するための減縮と、開示に関する形式的な要件に対応するための変更も区別した。出願手続中の陳述は、当業者の理解を裏付けることができるが、それだけで当該理解が決まるとは限らない。同一効果と想到可能性について、なお事実の評価が必要であったため、裁判所は原判決を破棄して差し戻したのであり、均等侵害の有無を最終的に判断したわけではない。Pemetrexed I, ¶¶ 3, 39–40, 55–72, 89–91.

判断の基準時にも注意を要する。米国では技術的な均等性は侵害時を基準に評価されるのに対し、補正に基づく禁反言の推定を覆すための予見不可能性は、補正時を基準に評価される。Warner-Jenkinson, 520 U.S. at 37. Festo, 344 F.3d at 1369–70. Hospiraは補正理由との関係が周辺的であることに依拠したため、予見不可能性の例外を適用した事案ではない。Hospira, 933 F.3d at 1330–31. Actavisの第二の問いでは、優先日時点の当業者に、当該変形態様が実質的に同じ結果を達成すると教えたうえで検討する。したがって、後に開発されたという事実だけで検討が終わるわけではない。Actavis, [2017] UKSC 48, [62]–[66]. デュッセルドルフ高等地方裁判所の近年の判決は、想到可能性を当業者の優先日時点の知識の範囲内で捉えているが、この命題を、後に開発されたあらゆる実施態様を一律に排除するものに置き換えるべきではない。Oberlandesgericht Düsseldorf [OLG] [Higher Regional Court], Sept. 12, 2025, 2 U 60/25, ¶¶ 120, 132, 135 (Ger.).

これらの事件は、化学的な分析だけでは保護範囲が決まらない理由を示している。米国の分析では、補正によって生じた権利範囲放棄の推定に、別途答える必要があった。欧州の記録では、より広い技術的開示に裏付けられた請求項に二ナトリウムを明記したことの意味に注意を向ける必要があった。手続上の結論の相違も重要である。控訴審による差戻しは、侵害判決の維持と同じ法的命題を確立するものではない。比較の際に有益なのは、各法域の記録のどの事情が、技術的な互換性と、法的に認められる保護とを結び付けているかを問うことである。

統一特許裁判所における均等

UPCの裁判例は、EPC第69条とその解釈に関する議定書の下で形成されつつある判断枠組みを示している。Plant-eにおいて、ハーグ地方部は、技術的な均等性、特許権者に対する公正な保護、第三者の合理的な予測可能性、および被疑侵害の実施態様が先行技術に基づく関連する攻撃に耐え得るか、という四つの検討事項を採用し、そのすべてを満たすことを求めた。公正な保護の検討には、侵害時に当業者が当該代替構成の適用を理解できるかも含まれていた。裁判所は、被疑侵害の構成において植物の根がアノード区画から分離されていたにもかかわらず、均等性を認めた。Plant-e Knowledge B.V. v. Arkyne Technologies S.L., UPC_CFI_239/2023, ¶¶ 86–88, 97–101 (Unified Pat. Ct., The Hague Loc. Div. Nov. 22, 2024).

2026年の二つの判決も同じ枠組みを適用したが、結論はPlant-eとは異なった。AIM Sportにおいて、ヘルシンキ地方部は、双方当事者がPlant-eの枠組みに依拠していることを指摘し、その各条件はすべて充足する必要があると強調した。被疑侵害の方法が、争点となる構成要件の技術的機能を果たしていなかったため、均等性を否定した。AIM Sport Development AG v. TGI Sport Suomi Oy, UPC_CFI_214/2023 & UPC_CFI_403/2025, ¶¶ 170–82 (Unified Pat. Ct., Helsinki Loc. Div. Apr. 29, 2026).

Wonderlandにおいて、デュッセルドルフ地方部も、置換された構成について具体的な説明を求めた。双方のベビーカーの機構が安定した接続を実現することを示すだけでは不十分であった。特許権者は、大幅な構成の組替えが当業者にとって明らかであることも、第三者の予測可能性と両立することも立証できなかった。裁判所は、均等による侵害を否定した。Wonderland Nurserygoods Co. v. Cybex GmbH, UPC_CFI_807/2024 & UPC_CFI_334/2025, ¶¶ 238–40, 251–55, 263–71 (Unified Pat. Ct., Düsseldorf Loc. Div. May 27, 2026).

これらの裁判例の位置付けは重要である。Wonderlandは、2026年5月27日時点で控訴裁判所が判断基準をまだ明示していなかったことを記し、提出された主張立証を前提とすれば、別の基準を用いても結論は変わらなかったと説明した。Id. ¶¶ 236, 240. 2026年9月16日までに検討した公表済みの裁判例には、均等による侵害の統一的な判断基準を採用した控訴裁判所の判決は見当たらない。ここで取り上げる枠組みは、依然として第一審で形成されたものである。

関連するUPCの裁判例は、均等に関する一般的な禁反言や開示・公衆提供の法理を確立することなく、出願経過と開示が請求項の範囲にどのように関わるかについても示唆を与えている。Belkinにおいて、控訴裁判所は、出願人の出願手続中の陳述が、出願時の当業者の理解を示す場合があると認めた。裁判所は、補正と説明を検討したものの、被告が主張したより狭い解釈は退けた。Belkin GmbH v. Koninklijke Philips N.V., UPC_CoA_534/2024, UPC_CoA_19/2025 & UPC_CoA_683/2024, ¶¶ 67–70 (UPC Ct. App. Oct. 3, 2025).

開示についても、文脈に注意を払う必要がある。Washtowerでは、請求項がL字形の金属ストリップを明示的に要求していたのに対し、被疑侵害の保持用ストリップはプラスチック製であった。地方部は、暫定措置の審理段階でPlant-eの枠組みを適用し、均等による侵害が成立する可能性の方が、成立しない可能性よりも高いと判断した。第三者の合理的な予測可能性を検討するに当たり、明細書が別の部材であるカバープレートの代替材料としてプラスチックを論じていることは、保持部材自体を金属製に限定しなければならない理由を示すものではないとした。この理由付けは、UPCにおける一律の開示・公衆提供ルールを創設するものではない。Washtower IP B.V. v. Industriebeteiligungs- und Beratungs-GmbH, UPC_CFI_479/2025, ¶¶ 8.1.21–8.1.32 (Unified Pat. Ct., The Hague Loc. Div. Sept. 11, 2025).

米欧比較において、構成要件ごとの分析は特に示唆に富む。商業的な結果が大まかに類似していても、AIM SportやWonderlandでは技術的な均等性は認められなかった。この点を重視する姿勢は、2023年のVLSI判決およびNexStepと実務上共通する。侵害を主張する当事者は、被疑侵害製品全体の目的の説明に依拠するのではなく、争点となる置換を説明しなければならない。ただし、各裁判所による法理の定式化は異なる。


比較表

2026年9月16日時点の主要な相違点。本文の留保事項および完全な引用情報と併せて参照されたい。

検討事項

米国

英国

ドイツ

UPC

均等性の基本的判断

構成要件ごとに、実質的でない相違または機能・方法・結果を検討。Warner-Jenkinson, 520 U.S. at 29, 39–40.

相違が実質的でない変形態様に関する三つの問い。Actavis, [2017] UKSC 48, [66].

同一効果、想到可能性、請求項に即した等価性。Schneidmesser I, 150 BGHZ at 154–59.

均等性、公正な保護、予測可能性、先行技術の四条件をすべて充足。Plant-e, ¶¶ 86–88.

判断の基準時

均等性は侵害時。Warner-Jenkinson, 520 U.S. at 37. 予見不可能性は補正時。Festo, 344 F.3d at 1369–70.

優先日時点の当業者に、変形態様が結果を達成すると仮定させる。後発の変形態様も対象となり得る。Actavis, [2017] UKSC 48, [62]–[66].

近年のデュッセルドルフ高等地方裁判所は、想到可能性につき当業者の優先日時点の知識を用いる。OLG Düsseldorf, 2 U 60/25, ¶¶ 120, 132.

公正な保護の検討に侵害時が用いられる。Plant-e, ¶ 88.

出願経過

権利範囲の放棄は請求項の意味に関わる。VLSI, No. 2024-1772, slip op. at 9–12. 禁反言は均等を遮断し得る。Festo, 535 U.S. at 736–41.

不明確さの解消または公益保護のため、例外的に参照。Icescape, [2018] EWCA Civ 2219, [77]–[80].

減縮の意味は、その理由と請求項の技術的教示による。Pemetrexed I, ¶¶ 64–72.

陳述は請求項の解釈に影響し得る。均等に関する禁反言とは区別。Belkin, ¶¶ 67–70.

開示されているが請求されていない対象

十分に特定された代替構成は、公衆に提供されたものと扱われ得る。Johnson & Johnston, 285 F.3d at 1054.

検討対象の判例には米国型の一律の公衆提供ルールはない。開示は通常の解釈と厳格な文言適合の要否に関わる。Actavis, [2017] UKSC 48, [66], [70]–[74].

明示された代替構成と、個別に列挙されていない属の構成員を区別。Pemetrexed I, ¶¶ 55–63.

請求項と明細書が予測可能性の判断に関わる。これらの事件から一律の公衆提供ルールは導かれない。Washtower, ¶¶ 8.1.26–8.1.31.

先行技術との関係

先行技術の取り込み禁止。仮想クレームを先行技術に照らして検証。Wilson Sporting Goods, 904 F.2d at 683–85.

検討対象の判例に、独立した仮想クレームまたはFormsteinの審査はない。Icescapeは優先権と、その喪失に伴う介在先使用による無効を別途判断。Icescape, [2018] EWCA Civ 2219, [3]–[4], [43]–[44], [90].

特許性を欠く均等な実施態様に対するFormsteinの抗弁。Formstein, 98 BGHZ 12.

Plant-eの第四条件で被疑侵害の実施態様を先行技術に照らして検証。Plant-e, ¶¶ 88, 101.

判例法の形成状況

連邦最高裁判所と連邦巡回控訴裁判所の確立した枠組み。

Actavis以降の確立した国内の枠組み。

確立した国内の枠組み。

第一審で形成途上の枠組み。控訴審の状況については本文の留保を参照。


この比較から、保護の広さを単純に順位付けするだけでは捉えられない、法理の構造上の相違が明らかになる。米国法は一般に、構成要件ごとの技術的検討に加えて、出願経過禁反言、開示・公衆提供および先行技術の取り込み禁止を、それぞれ独立した制約として扱う。英国、ドイツおよびUPCは、同種の公示上の懸念を、通常の解釈、文言への厳格な適合や請求項に即した等価性の検討、独立した先行技術の抗弁、ならびに公正な保護や法的安定性の検討に分配している。したがって、各裁判管轄は、関連する政策的な問いを、分析の異なる段階で扱っている。

比較から得られる知見の明細書作成と設計回避への応用

まず、機械的な置換を考える。特許が一体型のカバーを請求しているのに対し、被疑侵害製品は協働する二つの部品を使用しているとする。米国では、Edgewellにより、「一つ」と「二つ」という文言だけで問題を自動的に解決することはできないが、NexStepは、被疑侵害の代替構成とその動作について具体的な説明を求める。英国の分析は、Actavisの各問いに従う。ドイツでは、問題となる代替構成が、請求項の技術的教示と結び付いていなければならない。UPCでは、第一審で形成されつつある枠組みの下で、公正な保護、法的安定性および先行技術に関する条件の充足も求められる。同じ技術報告書がそれぞれの検討に役立つことはあるが、答えるべき法的な問いは異なる。

数値に関する置換では、別の一連のリスクが生じる。競合他社が、出願人が先行技術と区別するために導入し、成立した請求項に残された下限値を下回る条件で実施するとする。米国の法律実務家は、大規模な性能比較を依頼する前に、Actelionが示すように補正の客観的な理由を検討し、さらに、請求されていない範囲が明細書に特定されているかを別途確認すべきである。英国、ドイツまたはUPCの該当する枠組みを適用する法律実務家は、その裁判管轄における請求項の解釈と均等の考え方に照らして、当該境界値が何を意味するかを評価すべきである。数値上の差が小さいと述べても、出願人がその境界に法的な重要性を持たせたかという問題には、ほとんど答えることにならない。

化学的な置換は、これらすべての問題を同時に生じさせることがある。ペメトレキセド訴訟は、何が変わったのか、またなぜ特許が記載された化合物を選択したのかを、正確に特定することの価値を示している。争点となる相違は、付随的な塩形態、薬理学的に重要な性質、または出願手続中に除外された対象に関するものかもしれない。均等に関する意見書は、共通の活性部分があれば侵害が成立すると仮定するのではなく、化学的な分析をこれらの具体的な問いに結び付けるべきである。

明細書・請求項の作成における第一の目標は、引き続き、商業上重要な実施態様を直接包含し、かつ開示による裏付けのある請求項の文言を用意することである。上位概念の請求項、裏付けのある代替構成およびより狭い従属請求項によって、後の均等訴訟への依存を減らすことができる。明細書は、代替構成がなぜ関連する技術的効果を達成するのかを説明し、重要となり得る相違点を明らかにすべきである。米国では、代替構成を明示しながら請求しないことは、開示・公衆提供のリスクも生じさせ得る。開示した代替構成はすべて後に均等論によって保護を取り戻せると考えることなく、実効的な広さを裏付けるように記載すべきである。Johnson & Johnston, 285 F.3d at 1054.

出願手続が進むにつれて、開示と権利請求に関する判断を一体として見直す必要がある。将来の補正を裏付けるために記載した代替構成が、当初の請求項が減縮された後に商業的な重要性を持つこともある。法律実務家は、適用される開示上および手続上の制限の範囲内で、追加の請求項、米国の継続出願、または利用可能な分割出願により、その対象の権利化を図れるかを検討すべきである。減縮された請求項から外れた対象のすべてを、均等論によって取り戻せると考えるべきではない。

出願手続中の説明では、各補正の理由を正確に示し、発明全体について不要な陳述を避けるべきである。ある請求項について述べた見解によって、すべての独立請求項が同じ制限を有すると軽率に位置付けてはならない。削除された請求項も検討対象に含める必要がある。成立した請求項の最終版だけを見ても、Colibriで決定的となった問題は分からない。

結論

実施自由性(freedom to operate)の検討では、本稿で示した三つの問いに沿って分析を進めるべきである。すなわち、構成要件のレベルで技術的な置換を特定し、明細書・請求項の作成、開示または出願経過によって想定する保護範囲が法的に認められなくなるかを判断し、その結果として導かれる範囲を、公示機能および先行技術による制約に照らして検証する。対応特許であっても、文言や出願経過が異なることがあるため、個別の分析が必要である。最終的な評価では、どの技術的事実と出願手続上の出来事が結論を裏付けるのか、またどのような製品変更があれば再検討を要するのかを説明すべきである。

したがって、均等論の実務上の重要性は、訴訟より前の段階から始まる。出願人は、裏付けのある記載と慎重な出願手続を通じて、有用な選択肢を残すことができる。競合他社は、請求項の文言の背後にある記録を検討することで、より確かな設計上の判断を行うことができる。本稿で検討した各裁判管轄に共通する実務家の中心的な課題は、当該代替構成が技術的に重要である理由と、明細書・請求項の作成および出願経過がその重要性にどのような法的効果を与えるかの双方を説明することである。

 
 
著者について

Brandon R. Theiss

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画像サイズ変更プロジェクト - 2026年7月22日

Brandon R. Theissは、AddyHartのDivergent IP部門に所属する、テクノロジー分野を中心に扱う米国登録特許弁護士です。ソフトウェア、クラウドコンピューティング、データ分析、医療機器、自動化システム、自動車システムなどの技術について、米国特許出願・権利化、特許付与後手続、特許適格性、特許戦略に関する助言を提供しています。Villanova University Charles Widger School of Lawの非常勤教授を務めるほか、FDA and Intellectual Property Strategies for Medical Device Technologiesの共著者でもあります。

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